DIY基礎工事と建築基準法の関係について



家にしろ物置にしろ、素人が建物を自分でつくろうと考えたときにやっかいなのが、最初に基礎工事があるということでしょうか。

木材やトタン板などを切り刻んで組み立てるのはなんとか出来そうだし楽しそうだな・・・と思うけど、土を掘り返したり重いコンクリートや砂利を扱って重労働をするという、大変な思いをしそうなイメージの基礎工事は出来れば避けて通りたい・・・
それに基礎は建物では一番重要な部分で、失敗したらやり直せない。

重くて硬いコンクリートの塊を、ラインを間違えてつくってしまったら・・・
コンクリートを流し込んでいるときに型枠が壊れて流れ出したら・・・
作ってみたはいいけど水平にならず凸凹してしまったら・・・・

  はじめてやることなので不安が尽きない。

それに、やっぱり基礎工事は特に体力が要りますから・・・

「俺は何かをしたくてしょうがないんじゃーー!!」 と、青春のエネルギーが有り余っていてその処理に困っている場合は、基礎工事を自分でやるのは格好の材料ですけどね(^^ゞ

実際、私の家づくりの工程を思い返してみても基礎工事だけは出来れば二度とやりたくないものですし、全工程の中では、素人が取り組むにはいろんな意味で一番大変な工程だと思います。

そういうこともあって、「自分で家つくりました。」「小屋建てました。」「ログハウス作りました。」という話はたくさんあるけれど、基礎だけは業者に頼みましたというのが圧倒的に多い現状になっているのでしょう。
たしかにその方が安心だし、時間の節約にもなるし、現実的でいい選択肢だと思います。

でもセルフビルドは合理性だけで考えたらもともとかなりアウトサイダーな世界で、そこには自分のこだわりや価値観、思い入れが色濃く反映されますから、『それでも自分で基礎工事までやっちゃう!』 というのは大いにアリなわけです。

・・で、仮設資材や重機など何も持たない素人が、どうしたら無駄なく楽に上手に基礎をつくることが出来るか? 少し考えてみたいと思います。

基礎の種類には「独立基礎」、「布基礎」、「べた基礎」 があり、皆さんよくご存知かと思いますが

  1. 独立基礎は、1個1個が連続せず独立した基礎
  2. 布基礎は、一般に逆T字型の連続した一体の鉄筋コンクリート基礎
  3. べた基礎は、「直接基礎の一種で、建物の底面積全体を耐圧盤として設計されたものをいう。接地面積の増加による地盤の荷重負担が減り、基礎全体の剛性の高まりも期待できる。但し一般に布基礎などより基礎重量が増加する傾向がある。」

・・となっているようです。
  ※ 性能保証住宅設計施工基準(財団法人住宅保証機構)による。


個人がDIYでべた基礎をつくるというのはあまり現実的でない気がしますし、ここでは考えません。

建てるのは小屋・物置程度から平屋建ての家、または2階建てであってもべた基礎にする必要の無い地盤の場合を想定します。

資材を持たない個人としては、なるべく型枠材などの一度きりしか使わない材料で無駄を出すことなく、出来ることなら簡単に基礎をすませたいところでしょう。

その点、独立基礎はところどころ点状に穴を掘るだけで良さそうだし、型枠材も少なくていい。

ボイド管という丈夫な紙製の管を使えば型枠がわりにもなるし、さらに簡単に済ませるなら市販のコンクリート沓石(羽子板付き)を使う手もある。
ちなみにボイド管は、径30センチのもので1mあたり千円程度です。(H17時点)

さて、地盤が良好で、独立基礎でも大丈夫そうなところへ建物を建てようと思ったとき、 建物の面積が10平方メートルを超えるか超えないかで、条件が大きく変わってしまいます。

10平方メートルとは3坪ですから、6畳ということになります。

6畳以下の建物なら「住宅」としては考えにくく、「物置」とか「納屋」を建てる場合だと思いますが、すでに建っている住宅に付随する物置などは増築扱いに見なされ、10平方メートル以下なら建築確認が不要になることがほとんどのようです。
(防火地域などを除いて・・)

なので、どのように作ろうが自由自在。もちろん独立基礎 OK!
その気があればドームハウスだって作れるかも

土台に「継ぎ手」がある場合は、継ぎ手の直下には基礎がないと弱いのですが、6畳までの建物ならば土台に「継ぎ手」を必要とすることはまず無いと思いますから、市販のコンクリート沓石を基礎にすることも出来ます。

台風常習地帯で強風の吹き荒れる場所ならば、市販のコンクリート沓石ごときの基礎では基礎ごと吹っ飛ばされるおそれがあるけれど、林に囲まれた小さな小屋なんかだと大丈夫でしょう。

簡単でいいですね。


でも6畳を超えると、増築であっても建築確認が必要になるため、事情が大きく違ってきます。

( 新築なら規模にかかわらず建築確認必要なケースがほとんど。
都市計画区域外であれば、県によっては木造2階建て以下で500平方メートル以下ならば建築確認不要というところもあるようですが・・ )


建築確認が必要だとどうなるのか?

当然、建築基準法を遵守しているかどうか審査されるため、さまざまな制約がでてきます。

建築基準法施工令第38条は基礎のことが書かれていて、
「建築物の基礎の構造は、建築物の構造、形態及び地盤の状況を考慮して国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとしなければならない。」 となっていますが、

じゃあ、国土交通大臣が定めた構造方法って何よ?

これを定めた旧建設省の告示を読むと、結局、面積10平方メートル以内であるか若しくは門とか塀とかでない限り、最低でも布基礎にしなければならん!・・・という意味のことが書いてあります。

地盤の状況によってはべた基礎、若しくはさらに杭を打ち込んだ基礎にせよ!

ということで、厳密には地盤の調査結果をもって判断しなきゃならんということのようです。

例外的なケースを除いて一般には、独立基礎なんて論外!!

セルフビルドで家を建てようと自分で図面を書いて、独立基礎にして役所に確認申請を出しても、まず通ることは無い・・というわけです。  確認申請しないでやるなら別ですが (^_^;


独立基礎よ、さようなら (-_-)/~~~ 

ということで、次回から布基礎づくりについて考えます。


作ろうとする建物が2間×1間半などの3坪の小屋なら、基礎はブロックだろうが沓石だろうが丸太だろうが、法的に問題ないのですが(注1)、 それ以上の面積になると、最低限下の図の基礎になっちゃうようですよ。

建築確認が必要な建物ならば、上の図の基礎は必要最小限のギリギリに近い内容なんです。
これ以下の簡易な構造だと、普通は許可が下りないと思ったほうがいいです。

(注1) : 3坪以下で建築確認が要らないというのは増築の場合です。   独立した1棟であっても、すでにある母屋に付随した物置などと見なされる場合だけです。   防火地域などでは適用されませんし、何もないところに全くの新築だと該当しませんのでご注意を。
鉄筋コンクリート布基礎断面図

建築基準法施工令には、

「建築物の基礎の構造は、建築物の構造、形態及び地盤の状況を考慮して国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとしなければならない。」 となっていますが、

その「国土交通大臣が定めた構造方法」にしたがうと最低でも基礎は布基礎ということになります。

型枠をつくるのが面倒だからといって、フーチンの上にブロックを並べたりするのは布基礎とは認められず、許可が下りません。

「国土交通大臣が定めた構造方法」では、いろいろと条件選択があって細かい例外規定はあるものの、一般的に最低ライン

  • 基礎の立ち上がりの幅は12cm以上
  • 底盤(フーチン)の厚さは15cm以上、幅は30cm以上
  • 根入れの深さは24cm以上

よほど地盤が良くない限り鉄筋コンクリートにするのですが・・・

  • 基礎の立ち上がり部分の上端と、下部の底盤に12ミリ以上の主筋 (ということはφ13の異形鉄筋)
  • 補強筋として9ミリ以上(ということはφ10の異形鉄筋)をフーチンと、立ち上がり部分の中に縦横に配置して主筋と連結。補強筋のピッチは300ミリ以内。

・・・という意味のことが書かれています。

これを守ると、上の図のような断面構造になるわけです。

※ 私の工房建物は倉庫という扱いで申請したため、布基礎の地上からの立ち上がりは 150でも許可してもらいました。床が高すぎると何かと不便なので・・
用途によっては必ずしも基準どおりでなくてもいいみたいです。役所の建築主事とよく話してみるといいです。

 独立基礎はどうだ?