墨付けの大原則

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家って、外から見ると窓やら外壁やら庇やらがついているため、とても複雑に計算されて造られたシロモノなのだろうと思ってしまいます。

大工さんたちが、大量の木材に墨付けをし、その墨のとおりに切ったり削ったり(いわゆる「刻み」)して、組み合わせるとぴったり計算どおりに納まる。

   すげー! なんで狂いもせずにぴたり収まるんだろう。
   しかも、木材というのは反れたり曲がったりしているものもあるのに・・・


家というものが、日曜大工のレベルから見ると非常に大きくて複雑なものだから、施工したときにすべての材料がきちんと隙間無く組み合わせるということが、素人にとっては至難の業ではないだろうか?・・・
   
   ・・・と思ってしうまうのは私だけではないと思います。

でも、実際やってみたらうまくいきました。(^^)v

それには訳があります。

墨付けには大原則があり、これを知らずにやれば絶対失敗するでしょう。 でも知ってしまえば なーんだ。なるほどっ! と思いますよ。 今回はその原則のお話。

まず、窓やら外壁やらは、骨組みである「軸組み」に後から肉付けされたものであって、骨組みそのものはシンプルなものです。
さらに、その骨組み(軸組み)は、ある基本線にそって組み立てられています。

基本線は、すごくシンプルです。

幼児が家の絵を書くと、四角の上に三角をのせたようなものを書きますね。一筆書きでもそういうのがありましたね。あれと同じ。

下から順に、四角形の下の辺は「土台の上端」
四角形の側面の辺は「柱芯」つまり、柱の中心
四角形の上の辺=三角形の底辺は「峠墨」と呼ばれる基本線
そして三角形の斜辺は「屋根勾配線」と呼ばれ「タルキの下端」を表します。

       たったこれだけです。


使用する木材が多少曲がっていようが、基本線を墨打ちし、そこから何ミリ離れたところに○○という仕口を刻む・・・という具合にやっていきます。
材料の端から測るのではなくて、あくまで基本線から図るのです。

上のイラストの例では梁の太さ(高さ)は270ミリにしているけど、随分曲がっていますよね。 このような曲がった材料でも、寸法管理の基準となる真っすぐな基本線(この場合は峠墨)を梁材の上に打ち、柱や束が取り付く場所ごとに、墨線から材木の際までの距離を測って足し算・引き算すれば、正確に柱や束の長さを割り出すことができるわけです。

こうすれば、組んだときにぴったり合うのは当たり前 (^^)v


上記のことがあるため、家全体の構造材を墨付け・刻み加工するときは、まず梁や桁などの横に使う部材から始め、これらに打った墨線からの情報をもとに、柱や束などを刻んでいきます。 順番があるのです。

ちなみに、梁・桁・土台などの、横に使う部材のことを「横架材(おうかざい)」といいます。

高さ関係だけでなく、水平方向の長さについても、この墨付け原則のとおりです。

例えばイラストのような仕口を作るときでも、♀材の欠き込みは「材木の端から何ミリ掘るか」 ではなく、「中心線から何ミリ離れたところまで掘るか」 というふうに決めれば、♀の材料の太さや曲がりに関係なく♂材の長さを一定にできます。

もちろん、設計の基本寸法は材木の中心線中心線までの距離で決まっているわけです。


左のように「材木の端から何ミリ」 とやると誤差が出てしまうが、

右のように「中心線から何ミリ」 とやるのが正解


柱の場合は、実際には基本線なんて中心にある訳だから打てませんし打ちません。
そういう例外もあるけれど基本的な考え方はこういうことなのです。

これが理解できれば、素人の墨付け・刻みでも、組んだときにはぴたりと納まりますよ (^^)v


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