床断熱の方法

スタイロフォームによる床断熱施工

新築であれリフォームであれ、床下で断熱する一番一般的な方法は、根太と根太の間に断熱材を入れることになるでしょう。  ( 「基礎断熱」ではない、一般的な住宅の場合です。)

私のセルフビルドでは、自宅も、母の家もこの方法で施工しています。 このページでは、床断熱材の入れ方や注意点などをまとめてみました。


まず第一に注意すべきは、隙間なく断熱材が入っているかということなんですが、例えば、施工精度が悪いとこんなふうになっちゃいます。
床断熱材の断面図(横に隙間あり)
根太と根太の間隔と、断熱材の巾がピタッ!と一致していないとこんなふうに隙間ができてしまい、熱が逃げていっちゃいます。

巾方向に隙間なく出来たとしても、高さ方向で、こんなふうに取り付けた場合・・・
床断熱材の断面図(上に隙間あり)
例えば根太の高さ60mmのところに、厚さ45mmの断熱材を入れると、イラストのように上部に15mmの隙間ができてしまい、ここが空気の通り道になって熱を外に逃がしてしまいます。⇒ つまり断熱効果が落ちるということ。

もし厚さ45mmの断熱材しか手に入らなければ、床断熱材は大引き側ではなく、床下地合板側に密着させて使うべきですね。
床断熱材の断面図(高さ調整の図)
でもこの方法は、床断熱材がズリ落ちないよう、この場合は厚さ15mmの角材などで支えてやる必要があり、施工が面倒

温暖地域などで、断熱材の厚さが少なくても良いような場合は、このやり方でもOKでしょう。
でもやはり、断熱材は厚いほうが断熱効果も高いわけですし、施工性の点からいっても、根太と同じ高さ(厚さ)のものを選ぶのがメリット多いです。

どんな種類の断熱材が適しているか?

断熱材には主に、繊維系、発泡プラスチック系、吹付け系があります。

1、繊維系はフワフワした綿のようなスポンジのようなタイプ。代表的なのがグラスウール。
2、発泡プラスチック系は板状になったタイプ。スタイロフォームなんかが該当します。
3、吹付け系は、まさにウレタン吹付けなどで入り組んだ隙間にも充填できる断熱方法。

このうち、グラスウールなどの繊維系は、価格が安い反面、水分を含むと抜けにくくなり、そうなると断熱性能が落ちること。
さらに、同じ断熱性能を得るなら、一般に発泡プラスチック系より厚さが厚くなるため、根太と根太の間に入れるとなると不利な要素が多い。

吹付系は、実際に施工するにはそれなりの装置が必要で、個人のDIYには向かないでしょう。

自分で家の床下を断熱したいとか、セルフビルドで床断熱をする際に、根太と根太の間に充填するなら、やはり発泡プラスチッック系が適していると思います。
発泡プラスチッック系にもいろいろあるのですが、その中でも「押し出し発泡ポリスチレン保温板」の代表選手である、スタイロフォームカネライトフォームあたり定番でしょうね。
ホームセンターでも手に入れやすく、DIYには適していると思います。私の自宅や母の家のセルフビルドでも、これらの断熱材には大分お世話になりました。
これらは、厚さの種類も20、25、30、35、40、45、50mm・・・といった具合に細かくラインナップされているので、根太の高さに合わせるのも簡単。

※ スタイロフォームはダウ化工(株)の、カネライトフォームは(株)カネカの、それぞれブランド名です。

ちなみに、こういう断熱材は熱伝導率の違いによって3種類の区分があって、それぞれ商品名も違います。
スタイロフォームでは、熱伝導率の少ない(=断熱性能が良い=価格が高い)順に、スタイロエース-Ⅱ、スタイロフォームB2、スタイロフォームⅠB・・・となります。ホームセンターで普通に売られているのは最後のやつが多いですね。私もよくこれを使います。(^^ゞ
高性能住宅にするんだ!!という場合は、建材店を通じて高性能のほうをゲットしたほうが良いかと・・・

床断熱材の入れ方

大引き、根太、床断熱材の位置関係

1、すでにある根太の間に断熱材を詰め込む場合

特にリフォームの場合はこのパターンが多いでしょうね。
古い家の床板を剥がし、あるいは床板はそのままに、床下に潜って、既存の根太と根太の間に断熱材を押し込むというやり方。
何十年もたった家の床下に潜るのは怖そうですね~ ネズミやヘビの死骸なんかあったりして (・・;) ・・・てなことは置いといて、
断熱の基本は「隙間なく」なんですが、既存の根太と根太の間に、ボード状のスタイロフォームやカネライトフォームを寸法ぴったりにカットして押し込むのは、なかなか至難の技なんですよ。

根太だって、木材だから経年変化で反れたり縮んだりしている場合があることでしょう。
だから、すべての根太間が1mmも差がなく全く同じなんてことはないのです。

だからといって、それぞれの根太間の寸法を測り、その都度スタイロフォームを正確にカットしていくというのは手間がかかり過ぎる上に、それなりの「ウデ」が必要。というか、ほとんど不可能といってもいいのではないか・・というレベルです。

このような条件では、単純な板状の断熱材をそのまま使うのではなく、両側にたくさんのスリットが刻んであるタイプがおすすめです。
巾方向に伸縮性があるから、根太と根太の間にギュッと縮めてはめ込むだけで、隙間なく施工できます。

根太間隔に1~2mm程度バラつきがあったって大丈夫。

このタイプの断熱材としては、カネライトフォームでは「カネライトインサー」。スタイロフォームでは「スタイロフィット」という商品がでています。

ちなみに私の自宅の床断熱材には、カネライトインサーを採用しました。簡単・便利♪
カネラントインサーの断面図 スタイロフィットの断面図
とはいえ、伸縮性があるのはせいぜい5mm程度なので、目的の寸法にあったものを購入しないとピタッと合いません。
選ぶための要素は、① 根太のピッチ(モジュール。1尺か1尺5寸か)、② 根太の巾、③ 商品の長さ、④ 商品の厚さ・・・になります。

ちなみにカネライトインサーだとこんな感じ。
カネライトインサーの適合表
 (株)カネカのHPより

※ 商品の巾は、根太間隔寸法+5mm。 この5mmが縮むことになる。
  例えば、根太ピッチ1尺(303mm)で根太巾40mmの場合、303-40+5=268mmとなる。


上記以外の、例えば部屋の端のほうで根太と根太の間隔が規格外に狭くなった箇所などは、自分で断熱材をカットしなくちゃなりません。
まあ、カットといっても材質が発泡スチロールよりは少し硬い程度なので、カッターナイフでも切れます。
普通の板状になった押し出し発泡ポリスチレンフォームの厚さがあるタイプは、カッターナイフだけだと直角に切るのが難しいけど、カネライトインサーのようにスリット付きタイプの断熱材は、スリットにそってカッターを入れれば割と簡単に切れちゃいます。


2、根太と床断熱材を同時に施工する場合

根太の取付けと床断熱材の取付けを同時進行で行うなら、スリット付きの断熱材でなく、普通の板状断熱材でも十分隙間なくできますよ。
要は、1本目の根太を固定したら、その横に断熱材を置き、2本目の根太で挟んで、根太を横に押し付けながら固定する・・・という方法を使えば良いのです。
根太と床断熱材を同時進行で施工する場合の施工写真
板状のスタイロフォームやカネライトフォームを、あらかじめ所定の巾でカットしておけば作業は速い!速い!
私はテーブルソーを使ったので速く正確にカットできました。
同じ巾で切り揃えたスタイロフォーム
ちなみに、フローリングの床にするなら根太のピッチ(間隔)は1尺(303mm)が標準
この場合、スタイロフォームの巾は、303-45=258mmにすれば良いでしょう。
根太のピッチと巾から、断熱材の巾を求めるイラスト
この方法でやるなら「正確にカット」することがキモで、カットラインが曲がっていたり、断面が直角でなかったりすると、途端に隙間を作る原因になっちゃうので、正確なカットができる条件がない場合はおすすめできません。

新築に限らず、古い家をDIYでリフォームする場合でも、床板のみならず根太までいったん解体して、大引きまで残した状態からスタートすればこの方法が使えるでしょうね。
スタイロフォームを2段重ねて施工する例

ちなみにこれは私の母の家セルフビルド中の画像なんですが、根太のサイズは、巾45×高さ60mmです。
床断熱材としてスタイロフォームを使っていますが、厚さ30mmのを2段重ねにしています。これで高さピッタリ。
長さ方向の継ぎ目は、どうしても隙間ができやすいので、継ぎ目をズラすように重ねています。

断熱材が落ちないようにする

一般の住宅工事現場では、専用の金物を根太に取り付けて断熱材を落とし込むという施工方法も普及しているようですが、個人のDIYでちょっとした部屋の床下に断熱材を入れよう・・・なんていう場合は、金物なんて使わないので、断熱材の落下防止に一工夫必要です。

板状断熱材は、両端を大引きの上に乗せかければ通常は落ちないけど、両端に乗せかける材がない場合や、あったとしても中央が撓んだりしないように、何か仕掛けがほしいところ。
特に、配管があるところは、断熱材に配管分の丸穴をあけなくちゃならないので、断熱材が大きいサイズのままだと正確な位置出しがしにくく、小さめにサイズカットした断熱材を使ったりするので・・・

やり方としては、根太の底に板をはったり横から釘を打ったりとか、人によって様々ですが、別にこれといった決まりがあるわけじゃないので、、出来るだけ費用をかけないよう簡単に済ませたいところです。

床断熱材の落下止めの一例
私の場合は、「プラダン」(=プラスチック製の薄板)をカッターナイフで9×18㎝に細かくカットしたものを、根太の底にタッカーで打ち付けています。
タッカーは保持力が低いけど、断熱材自体とても軽いので、これで十分かと思っています。プラスチックは腐らないしね。
プラダン自体は、3×6版サイズが600円程度で手に入り、これから上記寸法のパーツをを100枚取れます。つまり落下止めのパーツ1枚が6円程度。
フトコロにやさしい~♪ (^^)

まとめ

◇ スタイロフォームなどの断熱材にも、性能によって区分がある。適した商品・適した厚さのものをチョイスしよう。
◇ 根太と根太の間に隙間なく詰めるのが基本。
◇ 既存の根太と根太の間に詰めるなら、スリットの付いた断熱材が使いやすい。
◇ 根太と断熱材を、同時進行で取り付ける方法もある。隙間ができにくい。
◇ 落下防止措置を忘れずに。
◇ 配管を抜いた穴まわりなどは、後からコーキングなどで隙間を完全にふさぐ。
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