集成材ってどうよ



今、ハウスメーカーを中心に住宅の柱材としてさかんに使われているのが、ヨーロッパから輸入されたホワイトウッドの集成材の柱ですが、
集成材って、小さな木片を貼り合わせて大きくしたものですよね?

では、ヨーロッパのホワイドウッドの樹木は小さな樹なのかというと、そんなことはなくて、大きな樹なのです。


せっかく大きな樹を、なんでわざわざ小割りに切って、手間をかけて貼り合わせてまた大きな材木にするのですかね?
    無駄じゃないの?


無駄ではないのですよ。

小割りにすることで、木材の中の方までしっかりと乾燥させることができるので、貼り合わせて大きな材木にしても中心の方まで完全に乾燥させた狂いの少ない材料にできます。

それに、もともと木材は、方向によって乾燥収縮の割合が最大で20倍も違うことと、生きていたときの物理的ストレスや、樹体を維持するための力などが働いていた影響で、材木にすると多かれ少なかれ必ずどちらかに反れたり、割れたり、捩れたりします。

これを小割りにして、反れる方向をお互いに打ち消しあうように張り合わせることで、全体として均質で安定した材料にできるのです。

それが集成材です。


このことをよく知らない人は、集成材の柱を見ると

木っ端を貼り合わせた安っぽい柱だ! と言ったりしますが、集成材って、結構メリットがあるんです。


ただ、デザイン的にというか、見た目に張り合わせ目が見えると安っぽい・・・と感じる方も多いようで、最近は、本当は集成材なのに外見ではそれと分からない柱材も出回っています。

集成材の柱の周囲4面全部に、「つき板」という薄くスライスした板を貼り付けているわけです。

見た目には、節が全くなくて木目が細かくて真っ直ぐな、素晴らしく高級な柱に見えます。一本で十万円くらいしそうな・・・(@_@) でも、ニセモノ・・・



さて、ハウスメーカーのチラシなどには「柱は通常の柱の1、5倍の強度がある集成材の柱を使っています。」と書かれているのをよく見かけます。

   これって本当?


無垢の柱と集成材の柱・・・どちらも同じ材料なのに、貼り合わせた方が1、5倍の強度があるというのはどういうことかいな?
・・・と私は常々思っておりました。


林業試験場で木材を専門に研究している人にお話を聞く機会があったので、そのことを聞いてみたことがあります。

「強度」と言っているのは柱の場合主に圧縮強度のことですが、試験場でいろいろな材木を試験してみると、

無垢の柱は強いのから弱いのまでバラツキが大きいけれど、集成材の柱はバラツキが少なくて均質化しているとのことでした。

樹木を人間に例えれば、強い人、弱い人、優しい人、冷たい人、積極的な人、消極的な人・・・とあるように、一本一本の樹木も遺伝的要因や育った環境によってその「個性」はさまざまです。

集成材の場合は、個性ある人々を全部ミキサーにかけて、型に入れて搾り出したようなもんだと思えば、均質化するのは当たり前ですね。

集成材は、つくる過程で死節や欠点のある部分を除去して貼り合わせるため、弱い部分が少ないというメリットもあります。


でも、集成材よりずっと強度のある無垢の柱だってザラにあるのです。

そのかわり弱いのもある・・・という具合です。


要はそういう違いなのであって、
「集成材の柱は通常の柱の1、5倍の強度があります。」なんていうのは、相当乱暴な言い方で、知らない人に誤解を招く表現だと思います。

ハウスメーカーにとっては、材料の品質が安定しているというのは有り難いことでしょうね。


前回KD材のことを、狂いや割れが少なく、寸法が正確できちんと直角が出ており、表面にプレーナー(カンナ)がかけられているため非常に使いやすいと書きましたが、当然、集成材もそのとおりです。

技術の劣る素人セルフビルダーとしては、集成材の利用は一考の価値ありです。

◆ 集成材の値段はどのくらいか?

身近なところでは、ホームセンターでパイン集成材として売られている、棚板などに使われる厚さ15ミリほどの幅広の板材なんかは、1りゅーべ当たりの単価を計算してみると30万円以上になったりします。

・・が、建築構造用の集成材はこんなに高くはありません。


私が家をつくるために、カラマツの集成材を買ったことがありました。 3寸5分(105ミリ)角、即ち柱と同じ太さで、長さ4メートルの材木です。
これを近くの製材所から買ったときは1本4千円強で、りゅーべ当たりで 94,500円程度でした。

集成材の柱なんて今ではごくアタリマエなので、近所の材木店・製材所や建材店に注文すればたいてい手に入るはず。


私は前記のカラマツ集成材と同じものを、県内にある集成材工場から直接買ったことがあります。
工場というのは基本的に個人には売らないものだと思われているようですが、話してみるとそうでもないです。
1本、2本だけ売ってくれと言ってもダメかもしれませんが、20本欲しいと言えば売ってくれました。運搬も手配してくれます。  しかも安い!

3寸5分角4メートルのカラマツ集成材が、なんと! りゅーべ当たり 55,000円程度でした。

これは凄いことですよ。だって普通の無垢の材木と大差ないのです。
下手をすると無垢の材木よりも安いかも?


私がこれをどこに使ったかというと、「大引き」という、1階床の根太の下地になる部材として使ったのです。
床は完全にフラットで水平である必要があるだけでなく、将来的にもゆがみがこないようにしたいものです。

大引きを集成材にすれば、反れ、割れ、狂いが少ないため、床下地の暴れが少なくなり、将来的にも床鳴りなどの不具合はないだろうと考えたからです。


カラマツはもともと強度も耐久性も高い木材ですが、材木にして乾燥させると捩れる性質があるために、建築用材として使われてきませんでした。
それが、集成材にすることによって捩れる欠点を克服し、建築用材としての道が開かれたのです。

今では、「インサイジング加工」といって、防腐防蟻材を加圧注入した土台用のカラマツ集成材も流通しています。


「大引き」は一般的には90ミリ角の材木を使うのですが、わが家の場合は、防腐防蟻材をたっぷり塗った105ミリ角のカラマツ集成材です。かなり贅沢(^^ゞ
材料のカラマツはもちろん国産のものです。

柱用には、まだあまりメジャーではありませんがスギの集成材もあるのです。

岩手県に、地元のスギやカラマツで構造用の集成材の柱や梁を専門につくっている工場(森林組合や製材所、工務店などからなる協同組合)があります。

メールでもQ&Aコーナーもありますから、興味があったら気軽に問い合わせてみては?


外材では、今圧倒的な勢いでヨーロッパのホワイトウッド集成材の柱が出回っています。

今現在の正確な末端価格はわかりませんが、3メートルの管柱1本当たり2000円~3000円程度と思います。 一般の無垢の材料と大差なしです。
そして、国産のスギ集成材も必死になってコストダウンを図り、ホワイトウッドに迫っています。

集成材の欠点といえば・・

やっぱり接着剤で張り合わせた材料なので、その接着剤がはがれたらアウト!だってことです。

普通に使う分には全く問題ないと思いますが、しょっちゅう水がかかる場所とか湿度が非常に高い場所に長く置くと、接着剤が剥離する心配があるので、それを考慮して使えばいいと思います。

( 私の経験では、造作材としての集成材の厚板ですが、外にブルーシートをかけて1年以上放置しておいたら、無残にカビが生えて、接着部分もあちこち剥離したことがありました。)


で・・・わが家はどうしたのかというと、さきほど書いた大引き以外はほとんどが無垢の材木です。(^^ゞ

実は、家を建て始める頃にはKD材や集成材の知識はあまりなかったのです。


  それに・・・

このように書いてはいますが、個人的には無垢の材木が好きなのです。

節があったり、割れていたり・・・それも良いではないですか!


集成材みたいなのばかり出回ってそれが一般的になってしまうと、
木材なのに狂わない、反れない、曲がらない、均質な材料というのが当たり前・・・という感覚になってしまうのではないかと・・・

いや、もうすでにそのように思っている人も多いのでは?


暖房のガンガン効いた乾燥した部屋に置いておいたら、羽目板が縮んだとか割れたといったことをクレームにするような世の中になったら寂しいですね。


均質で狂いの無い材料は、クレームがあっては困る「商品」としての家を売る立場の人にとってはありがたいものでしょうが、自分でつくる自宅の場合は、クレームはありません。

構造的な欠陥はダメですが、表面的なこと、例えば無垢の柱に割れが入ったからといってどうということも無いし、考えようによっては味があるともいえます。


無垢の材木は反れたりするため、使う場所によってどちらを上にするかなどを考えながら、お互いの力をうまく利用して上手に家を建てていきます。

またそれを考えるのが面白いのです!

木はクセがあるのが当然ですから。 なにしろ生き物だったので・・・


木材の「欠点」は私にとっては「長所」にも見えます。

「均質」になってしまったら面白くもなんともない・・・