DIYで失敗しない
初心者でもウッドデッキを上手に作るコツ 6選
わが家でも何か所かウッドデッキを自分で作っています。
ウッドデッキの作り方についてはネットでもたくさん紹介されていますが、私の経験から、楽に、効率よく、絶対失敗しない、きれいに作るためのコツを6つほどあげてみます。 中上級者の方にはよく知られた内容ではありますが・・・
氏家誠悟(seigo uziie)
2004年からこのサイトを運営している個人です。自分で家2棟、小屋2棟をセルフビルドしました。「自分でわが家を作る本。」の著者です。
基礎石の高さを合わせようとしない!
ウッドデッキの基礎は、だいたいこの画像のように基礎石(束石ともいう)を置きますよね。
ウッドデッキの作り方として、まずこの段階で基礎石どおしの高さを合わせ、水平にします・・・と書かれているwebページが多いけど、私はテキトーに置いていきます。 高さを合わせるなんてこと・・・しません。
実際やってみれば分かりますが、基礎石どおしの高さをすべて合わせるのは至難の業!
砕石やモルタル(または調整しやすい砂やドライモルタルを使ったとしても)で調整しなければならず、そのたびに基礎石を持ち上げて戻しては、高さを確認し、やり直す・・・という作業を延々とやることになります。
しかも、アッチを直したら今度はコッチが狂った・・・なんてことになりかねず、最後には蹴り飛ばしたくなるかも(笑)
水平を出すのは、基礎石で高さを合わせるのではなく、束の長さで調整するのです! ← 確信
束の長さで調整するためには水糸を張っておく必要があります。
この画像のように『遣り方』を作り、基準となるのライン上に水糸を張るのです。
いちいち『遣り方』を作るのは面倒だと思うかもしれませんが、『急がば回れ』で、この方法でやったほうが断然効率がいいし、快適に、精度よく作れます。
水糸と基礎石との距離で束の長さを決める
水糸が水平に張られていれば、基礎石の高さがバラバラでも、水糸から基礎石までの距離、つまり高さの差を測り、それをもとに束の長さをカットすればOK
上のイラストの例では、基礎石Aの天端と水糸までの距離が「長さA」なので、Aの長さの束を用意すれば良いとうわけです。以下、すべての基礎石にそれぞれ合った長さの束を用意します。
一見、手間がかかるように聞こえるかもしれませんが、基礎石の数が多ければ多いほど、すべての基礎石の天端高さを揃えるのは極めて難しくなるので、結果的にこの方法が効率よく、かつ正確なのです。
水糸があれば、基礎石の位置についても、下げ振りを使ってこんな感じで正確に調整することできますよ。
これは大引き(根太の下地)まで設置した状態。
各々の基礎石の高さはバラバラですが、束で調整しているため、大引きはすべてきちんと水平になっています。
大引きの上に根太を乗せているところです。 ここまで来ればあとは楽勝♪
ちなみに、これは束と根太の間に大引きを入れる方法ですが、束に直接根太を打ち付ける場合でも、考え方は同じです。
それぞれの基礎石から水糸までの距離を図り、束の長さを求めます。だから束の長さは全部バラバラ
この方法だと、基礎石を設置する作業がとても簡単で、水糸があるから位置も正確です。
あっちこっちやり直して調整する手間もいらず、いとも簡単に水平に根太を張ることができますよ(^^)v
ちなみに、単管パイプを使ってウッドデッキの基礎部分を作る方法もあります。ウッドデッキの下部構造が腐ることがないので有利。 このページで詳しく書いています。↓↓↓
束の下端は非木材で
束を木材にする場合、基礎石と接する面から給水して腐れやすいので、束の下端には、樹脂やプラスチックなどの給水しない素材でできたものを取り付けると良いです。
(住宅の土台と基礎コンクリートの間に、樹脂製の基礎パッキンをはさむイメージ)
これは、住宅用の基礎パッキン(半割)を、束の下端に取り付けた例です。
木材は、特に切断面である木口から吸水しやすいので、防腐剤を塗っているとはいえ、やはりここを遮断してあげたほうがいいです。
ちなみに基礎パッキンは鋸でカットできます。 ただしサイズが小さいので丸鋸では怖いかも。 私はテーブルソーでカットします。
ビスも通るので、木材と同じ感覚でビス留めできますよ。
これは束を上下逆さまにして基礎パッキンを取り付けている状態。 束に『B1』と表示しているのは、位置の番号です。
なにしろ基礎石ごとに束の長さが違うので、間違えないよう番号をふっています。
これはもっと簡単に、束(この場合はデッキ床材と同じ2×6材を使っています。)の下端に、屋根下葺き材であるアスファルトルーフィングを敷いた例です。
ここは屋根付きウッドデッキの下で、雨がかかることがないので、こんなものでも吸水を防ぐには十分だと思っています。
束の天端は、根太天端より少し下げる
一見、束の天端と根太の天端を合わせるほうが分かりやすくて良いようにも思えますが、
わずかの施工誤差で束のほうが上に出ていると、デッキ材(床板)を張ったときにその部分が根太に密着しないので、ガタツキが生じてしまいます。
仮に、束と根太の天端が完全に同じだったとしても、木材というものは月日がたつと巾方向にはよく縮むけど、軸方向にはほとんど縮みません。
⇒ つまり、根太は少し下がるけど、束は下がらない ⇒ 束のほうが上に出るため、デッキ材がガタツク
・・・という恐れあり。
最初から、束を根太天端より1cmくらい下げておけば、何も問題ないのです。
金物の位置は現物合わせが便利
これは2階建ての屋根付きウッドデッキを作っているのですが、土台に囲まれた内側の空間に根太を取り付けているところです。
こういう場所では根太受け金物を使うのが便利
今回は、土台のアンカーボルトを避けるため、根太は土台天端より4cm上に天端を揃えます。
根太受け金物の取り付け高さが正確でないと、自動的に根太天端の高さもバラバラになってしまいます。
根太受け金物の高さを正確に揃えるためには、チョークラインで水平墨を打って、それに金物を合わせて取り付ける方法が考えられますよね。
でも、実際この方法でやってみたことあるけど、あんまりうまくいきませんでした。
やはり、墨線自体も太さがあるし、位置が低くて真横から見るのが難しく、思ったほど正確にはいきません。
一番いいと思う方法は、こんなふうに根太と同じ材の端材を金物に入れた状態で高さを合わせ、そのまま金物を釘打ち固定してしまうこと。
この際、高さを合わせるための治具をあらかじめ作っておきます。治具を上から押さえつけた状態で、端材を下から治具に押し付けるわけです。
これなら何も考えずとも正確な高さにそろいます。
高さ合わせの治具を使えば、金物だけでなく、端の根太もこんなふうに高さを合わせられますね。
この場合は、治具を2か所にビス打ち固定し、それに根太を下から押し付ける形で高さを合わせています。
一人作業のときは、この状態で根太をクランプで仮押さえすれば、ゆっくりとビス打ち固定。
(当然、終われば治具を取り外します。)
デッキ材どおしの隙間はスペーサーを利用
デッキ材、この場合は定番のウェスタンレッドシダー2×6ですが、
たいていは大なり小なり曲がっているので、スペーサーを使わずに張っていくと、デッキ材どおしの隙間が場所によって広かったり狭かったりして、見栄えがとても悪くなってしまいます。
これは私が使っているスペーサーです。
厚さ2.5mmのベニヤ板を木片に固定したもの。 最低3個用意します。
これで隙間は2.5mmになる理屈だけど、実際には経年変化で木材が巾方向に縮み、隙間はこれより広がります。
だから最初は隙間を狭めにしておくほうが良いかと・・・
こんなふうに、スペーサーのベニヤの部分をデッキ材の間にはさみ、デッキ材を押し付けながらビス打ちしていきます。
デッキ材はたいてい曲がっているため、スペーサーは3か所必要です。 両端と中央ですね。
一番キツイ箇所では強くはさまれてしまうため、あとでスペーサーを引き抜くときに、かなり抵抗があります。
(^_^;
ベニヤがちぎれないよう注意して、木片部分を揺らしながら抜いていきます。
周辺部の長さは最後にカットして揃えるベシ
これも良く言われることですね。断然おすすめ。
1枚1枚のデッキ材の長さは最初から合わせようとせず、適用な長さでカットして張っていき、すべて張り終えた段階で一気に切っちゃいます。
これも・・・
このようにするとカットラインが凸凹せず完全な一直線になるので、仕上がりが綺麗です。
以上、DIYでウッドデッキを作る際に役立ちそうな小技を、私の経験から6つほどご紹介しました。
どうぞお試しのほどを・・・
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ご自分で家を建てるために、きっとお役にたつと思います。