構造材の刻み加工



材料は2回に分けて購入しました。まずは横架材用です。

刻みは、まず、梁・桁・母屋などの横に使う部材(横架材といいます。)からはじめ、後で管柱~通し柱と進みます。

当時、大きな古い借家を借りていたので、空いている部屋を作業場にして、材料を中に入れました。

材の中心線に墨を打ちます。

梁や母屋などは、屋根荷重に抵抗させるため、木材が乾燥に伴ってそれていく向きを見極めて、山形にそれる面を上方にして用います。
そのために、年輪の中心から離れている方を下にして使います。

実際に中心墨を打って、各位置で墨から材の際までの距離を測ってみると、まっすぐに見える木材でも、法則どおりにそれていることがわかります。

写真右端に見えているのは自作した軸組模型です。


作業場には設計図と軸組模型を常に置いておきました。設計図だけでなく、模型も同時に見ながら墨付け・加工していくのです。
軸組みだけの住宅模型は、最高の設計図だと思います。そのおかげでほとんど間違えることなく加工できました (^^)v

土日はもちろん、平日も、朝5時に起きて出勤前の2時間、刻み加工をしていきました。
我ながら働き者ですなぁ (^^ゞ

道具は、さしがね、墨つぼ、墨さし、メジャー、丸のこ、のみ、角のみ、電動カンナ、玄能などです。

【関連ページ】⇒ 墨付けの原理

家づくりの作業全体を通してよく使うのが丸ノコですが、 刃がはさまれたような状態になると、キックバックという現象を起こして、急に押し戻されるような力がかかることがあるので、しっかりと握って油断しないようにします。

幸い、今まで一度も怪我しませんでした。

よく用いた継ぎ手の「腰掛鎌継ぎ」をつくっています。

角ノミや鋸で切った後、ノミで鎌の部分を彫り取ります。
墨線が半分残るようにします。

鎌の「カリ」の部分は完全に垂直ではなく、若干の勾配をつけます。(すべり勾配といいます。)そのことによって、♂と♀をを上からたたいてはめ合わせたときに、お互い引き寄せられてしっかりと固定されます。

「腰掛鎌継ぎ」の♀の方のできあがり。

「腰掛鎌継ぎ」の♂の方です。

仮はめしてチェックしますが、完全に入れてしまうとなかなか抜けなくなるので、途中まででやめておきます。

ホゾ穴は、ドリルで穴を開けてからのみで残りを掘り取っても出来ますが、時間がかかるので、角のみとい工具を使うと、早くて正確にできます。

角のみは、木材を購入したところのおやじさんが貸してくれました。新品で買うと7万円はしますので助かりました。

打ち抜きのほぞは両面から加工します。片面からだけだと、打ち抜いた方の表面が裂けることがあるからです。

これは、棟木という部材に、のみで、垂木(タルキ)のあたる部分の欠きこみしているところです。

材木は完全に真直ぐではないため、梁材などの大きな部材は、水平墨を打って、柱材と取り付く各場所ごとの、墨線から材の際までの距離を控えておいて、それぞれの距離によって柱材の長さを調整します。

柱材のほぞの先端部を、ほぞ穴に入りやすいように、カンナで角を丸くしています。

火打ち梁という、水平に用いる筋交い材は、同じものを大量につくるため、型板をつくって墨付けしました。

火打ち梁16本

金属製の火打ち梁が出回っており、それを使ったほうがずっと簡単で手間要らずですが、あえてこだわって木製にしました。


軸組み模型が頼りになりました

手作りの住宅模型(軸組み模型)


じつは、刻み加工を始める前に、まずは20分の1スケールの住宅模型をつくって見ました。住宅模型といっても、一般に見られるスチレン板などを使ったものではなく、軸組みを確認するための模型です。

構造材全部と、根太などの一部の下地材だけで構成されていて、壁はありません。 軸組み模型と言ってもいいでしょう。

ホームセンターなどで扱っているヒノキやバルサの工作用材料を使い、正確に20分の1でつくります。
一般的な住宅模型と違い、これは模型といえどもちゃんと「ほぞ組み」をしているのです!

ほぞはカッターナイフで簡単に切れます。ほぞ穴は、メガネなどに使う小さいドライバーを、材料の繊維を切る方向に突き刺すことであけられます。 ただし「継ぎ手」は省略しています。

模型をつくることによって、各部材の位置関係や「ほぞ」の向きについて理解が深まり、図面だけで刻み加工をするよりも、間違いが少なくなったと思います。