自分で自宅を設計するには?


この画像は、恥ずかしながら、私が自宅の建築確認申請用に自分で書いた平面図です。

そりゃー上手に描けるに越したことは無いですが、必要なことが過不足なく書かれていれば問題ないので、下手な絵でもOKなんです(^^)v


「自宅を手作りしています。」 というと、「でも設計は頼んだんでしょ?」 と言われることがよくありました。

私にとっては、そう聞いてくる人の発想が不思議だったのです。
せっかく手作りするのに、その一番楽しい部分、おいしい部分をなんで他人に任せるのかね?

他人に自宅の設計をしてもらって、他人が決めた図面に縛られて自分が労働するなんて、なんだか勿体無い! しかもそれが自分の住む家だなんて・・・・


大工仕事をすることについては、上手下手はともかく、誰でもある程度できたとしても、
設計をするということは、多分に知的な要素が多くて、何の知識も持たない素人ではできないと思い込んでいるのでいる人が多いのではないでしょうか。
住宅建築の設計というと、とんでもなく難しい専門的な内容だと・・・

設計のプロが生業として「お客の」家を設計するのであれば、お客の意向を引き出して、うまくコミュニケーションしなければならないから、そういう意味では難しいし苦労も多いのだと想像できますが、

自宅を自分で設計するのなら、希望はすべて自分の頭の中に入っているので、単に、構造的なことや算数的なこと、つまり実務的なことさえ理解していればできるのです。

でもそれは、そんなに難しいことではないですよ。本を何冊か真面目に読んで勉強すれば大丈夫。

  関連ページ⇒ 私が読んで役にたったオススメの参考書

では、自分で自宅を「設計」するとはどういうことを指すのでしょうか。

間取りを考える? それも設計のひとつです。
注文住宅を業者に建ててもらう場合は、施主は間取りを考えて間取り図を書くところまではやるでしょう。

それを業者に伝えて見積もりを取るということになると思います。施主がやる「設計」は普通ここで終わりです。
後は、壁紙の模様だとかバスタブの色だとか、施工しながら業者と打ち合わせということになると思います。


自分で設計施工する場合は、窓や壁の位置を書いた間取り図をもとに、
柱の位置、寸法、本数を決め、1階柱の上に掛け渡す梁や桁の位置、寸法、さらに2階柱や2階の梁、桁についても決めていきます。

次に、屋根の形や勾配、屋根を支える「小屋組み」の構造を考え、壁に配置する筋交いの位置や寸法を決めます。
あわせて、基礎の形状、アンカーボルトの位置を決めます。

これらは相互に関連し合っているので、同時進行で進めていきます。


例えば、筋交いの配置とアンカーボルトの位置は密接に関係しているので、窓の位置を変えると筋交いの配置が変わり、基礎のアンカーボルトの位置が変わるという具合です。

このとき、2階の壁はできるだけ1階の壁の上に来るようにします。同じように、2階の柱もできるだけ1階の柱の上に来るようにします。
その方が、構造的に安定するというのは想像つきますよね。

2階の柱の下に1階の柱がない場合は、2階柱が乗る梁の寸法を大きくするとか、スパンを短くするなどしなければいけません。

  関連ページ⇒ セルフビルドの具体的な設計の手順


構造的なことを無視して間取りだけを考えると、ともすれば凸凹した複雑な形の家になりがちですが、
その間取りの通りに家を建ててしまうと、当然、構造的に複雑で、梁なども太いものが必要になるだけでなく、
屋根の形状がやたらと複雑になって、施工が面倒、雨漏りの危険度が増す、経費が嵩む、見た目もごちゃごちゃとしてカッコワルイ・・なんてことになります。

業者なら、施工費が高くなることは一向に困らないでしょうが、自分で設計する場合は、間取りと構造を同時並行で考えましょう。
そうすると自然に、シンプルな形状の家になってくると思います。

なにしろ自分で施工するので、複雑で面倒なのは嫌だし、経費がかかるのも当然嫌ですからね。


この辺が決まったら、垂木(タルキ=屋根を支える下地の部材)や根太(床を支える下地の部材)の寸法や配置、壁や床の断面構造をどうするかなどを決めていきます。

壁や床の断面構造というのは、例えば壁であれば、柱の厚みの分だけ断熱材のグラスウールを入れ、その外側には透湿防風シート、その外側に胴縁を入れて、胴縁の厚み分だけ通気層にする。
その外側に外壁材○○ミリの○○を使用する。
柱の内側は、グラスウールの室内側に防湿層を設け、その内側に石膏ボード、その内側に腰壁やクロスを貼る・・・

     ・・などといったことです。

それぞれの材料の厚みなどを調べて、壁全体の厚さが何ミリになるのか決めておきます。

こういう断面構造は、モデルハウスで説明を聞くとか、本を読むなどしていろんな例を調べ、気に入ったものを採用します。

だいたい決まったら、必要な材料の寸法や本数を拾い出して一覧にします。

これまでの過程で、方眼紙などに何度も図面を書いたり消したりしているので、図面のもとはだいたい揃っているはずです。大分難しそうに聞こえるかも知れませんが、実際やってみると、そうでもないです。


多分、一度では決まらないでしょう。何度もやってみては直し、やってみては直しの繰り返しになると思います。

なぜかというと、すべての出発点になる間取りの案が、日がたつに連れて気が変わり、あちこち直したくなるからです。(自分がそうだったので・・)

自分はその気がなくとも、奥さんが言い出せば聞かない訳にはいかないし・・(笑)
特に、キッチンをどこにどのくらいの幅でどちら向きに配置するかということについては、我が家では何十回直したことか・・(^_^;

でもこの過程は面白いです! 出来たときを想像してワクワクします。

ちょっと知的で、大きなパズルを解いているような面白さがありますよ。


とにかく、細かいことは気にしないで、どんどん設計していきましょう。

手作りだと費用が安くすむので、多少無駄なスペースをつくり過ぎようが、贅沢な空間をつくろうが、柱や梁を標準より太くて立派なものにしようが、どうせ、モトがとれるんだ! という気持ちになって大らかに楽しくやれると思います。


取りあえず上記のことをやってみて一応カタチになったら、次に、壁量計算をして、建物が構造的に安定しているかチェックする計算を行います。

  関連ページ⇒ 耐震性などを確かめる (壁量計算の方法)

あと、構造材の刻みに入る前までに、仕口・継ぎ手(どういうふうに木と木を組み合わせるか)や、ボルトなど金物のタイプや取付け位置、必要な木材の寸法別一覧の作成などが必要です。

窓周りや屋根の詳細な構造なんてものは、窓や屋根の材料を購入するときの施工説明書に従って施工しますから、最初の段階でそんなことまで細かく決まっていなくとも、セルフビルドで自宅を作る場合はなんら問題ないはずです。

本当は先の先まで詳細に決まっていればなお良いのだけれど、素人はわかりませんから、この程度でいいのです。これで十分でした。

次に、設計の締めくくりとして各種の図面を書くのですが、それは次回に・・