広葉樹の板でテーブルを作る
憧れの、広葉樹のテーブル ♡
買うと高いですね。 ちょっと大きめの一枚板の座卓なら数十万円はするでしょう。
今回は、少し小さめのテーブルですが、自分で作った例のご紹介です。費用は材料費・送料等を含めて1万円以内に収まりました。
サイズは、長さ80cm、巾45cm、高さ42cm、天板の厚さ35ミリです。
広葉樹の入手方法
広葉樹を多く扱っている材木店は、主にプロ相手が多いと思います。
私も行ったことがありますが、木材を見る経験が豊かでないと、そもそも積んである木が何という名前かすら分かりません。 名札なんて付いていないことが多いですから。
例えば「ナラ」(※ 木工でナラという場合、普通はミズナラを差す)が欲しくても、たくさん並んでいる木材群をみて、これがナラだと見分けるのは、素人には難しいのです。
広葉樹は種類が多いし、同じ樹種でも木目模様や色合いもすべて違うので・・
でも今は、ネット通販で広葉樹の一枚板を買える時代。
ネットなので実物を触ってみるわけにはいかないけど、たくさんある在庫の写真を手間なく探せるし、そもそも遠くのお店に足を運ばなくても良い。・・・・便利ですね~
私が買ったお店は、群馬県にあるこのお店です。 じつは以前、直接お店に行って店主さんとお話しさせていただいたこともあります。
ここのネットショップは、欲しい樹種・寸法・価格帯まで検索して探しやすいようになっているので、購入者としてはありがたいです。
1枚1枚の画像をよく見て、不明な点があればメールで質問して・・・というやりとりが出来ます。私もそのようにしてシオジという広葉樹の一枚板を購入しました。
こんな風に梱包されて届きました。
樹種はシオジ。 サイズは長さ2190×最小部分の巾410×厚さ45ミリ
価格は本来7,000のところ、一部干割れが見られるので20%割引で5,600円
これに、群馬⇒岩手までの送料2,700円と代引き手数料840円で、しめて9,140円
木材自体の価格を計算してみると、木材の単価というのは単位体積当たり、つまり普通は1立方メートル(「りゅーべ」と呼びます)の値段で表現しますが、
今回のシオジの板は、1立方メートル当たり、138,595円 となります。
広葉樹の板ならば、まあこのくらいの単価ではないでしょうか。 安いほうかもしれません。高いのは青天井であるからね。
ちなみに杉や松など針葉樹の製材された建材ならば、1立法メートル当たりの単価は5万円~というくらいなので、広葉樹はやはり全然違いますね。
ところが・・・梱包を開いてみると、なんと!
根元から、長さ90cmにわたって割れが入っていました(@_@)
ネットショップの画像には、小さな干割れだけが見えていて、この大きな割れはありませんでした。
なので、おそらくこれは運送途中に何らかの衝撃や温湿度変化を受けて入ったものだろうと想像。
返品も考えたけど、割れを避けて木取りができるなら問題ないので、検討してみました。
今回のテーブルは、天板を1枚板でそのまま使うのではなく、2枚を剥ぎます。
天板以外の部分から脚材を4本取る計画です。 果たして、その木取りラインを書いてみたら・・・
なんとかギリギリで割れを避けて、天板2枚分と脚材4本分をとれることが判明。 良かった(^^)v
お店にはこのことの報告だけして、返品はしませんでした。 好意的な対応ということで感謝の言葉をいただきました。(^^)
天然の無垢材ですから、こういうことが起きる可能性は当然あるわけですね。
ある意味、この段階で割れが入ってくれて良かったです。割れが入るということは、その部分に何らかの力が加わっているわけだから、遅かれ早かれ、割れる運命にあるのだと思います。
テーブルが完成してから割れたら悲劇なので、今の段階で見つかって良かったですよ。ホント
テーブルの製作
木取りラインに沿ってバンドソーでカット
その後、手押しかんな盤と自動かんな盤で平面出し、直角だしをしたり厚みをそろえたりします。
広葉樹の無垢板は、製材品と違い反りやクセが多いので、いきなりテーブルソーで縦挽きなどしないほうが無難。
天板は2枚の板を巾方向に剥ぎます。
※ 本当は1枚板をそのまま天板にするのが高級でカッコイイとは思いますが、自動かんな盤の巾よりも広い板だと、厚さをそろえて平面を出すのをすべて手加工でやることになり、熟練の職人でないと難しいです。
それに、無垢板は大抵反っているので、歩留まりも悪くなります。さらに、そのような板は希少なので値段も高い!
だから、現実的には巾30cm以下程度にした板を複数枚剥いで広巾の板を作った方が良いのです。
剥ぎ面の直線と直角をきちんと出した後、ビスケットジョイント2段で、接着剤を塗り、ポニークランプで圧着します。
【 関連ページ 】
⇒ ビスケットジョイントの方法
1日置いた後、クランプをはずし、全面を鉋掛けしてきれいな平面を作ります。(これが一番ムズカシイ)
脚と天板の接合は、2段ほぞとしました。
製作途中の画像はこれだけです。 途中の写真をほとんど撮っていなかったのでご勘弁を・・(^^ゞ
あとは天板や脚のトリミングをしたり、脚の先端を細くなるように加工したりした後、天板と脚を接着。
水引き、サンディング、塗装(着色ステイン+ウレタンクリアニス。 天板表面はウレタンクリアニスのみ ) して完成しました。
氏家誠悟(seigo uziie)
2004年からこのサイトを運営している個人です。自分で家2棟、小屋2棟をセルフビルドしました。「自分でわが家を作る本。」の著者です。
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