垂木・野地板・破風板の取付け
垂木(タルキ)の取付けが終わったところ
施工 2009年
基礎工事~プレカット~上棟と外注工事を経て、家の骨組みが出来ました。 ここからがセルフビルド、DIYによる施工です。
このページは、垂木や野地板、破風などを取り付けて、屋根の下地が完成するまでの紹介です。
外注の棟上げ作業が終わった状態。 母屋・棟木まで上がっています。
ここからがDIY施工ですよ~ん♪
まずやることは、柱の上下、つまり桁・土台との接点にV字金物(山形プレート)を取り付けること。
垂木をつけてしまうと、柱上部のV字金物が取り付けにくくなるので、まずこれをやらなくちゃ。
V字金物はSN90という軸組み専用釘で固定するんですが、長さ90ミリもあるので、玄能でこれを全部手打ちするのは結構大変ですよ~
まっ、叩きまくる作業なので、ストレス解消にはいいけど(笑)
垂木(たるき)の取付け
次に垂木の取付け開始
45×60の垂木材を、棟木の上で拝み合わせにするので、垂木材の先端を5寸勾配(この家の屋根勾配)にカットして取りつけています。
プレカットで、垂木掘りもきちんとできているので、垂木のラインが曲がることもありません。
きっちりと棟木・母屋に押し付け隙間がでないようにして、釘(N75)を両側からナナメ打ちして固定。
でもナナメ打ちは実際には下穴がないと材が割れやすいし、けっこう面倒。
現実的には120ミリのビスをインパクトドライバーで脳天から打ちこむほうが、私的にはしっくりきますね。
画像は、垂木材の先端がきっちり中央に来るよう、ストッパー代わりのあて木をして位置を合わせしています。
垂木取付け作業用の足場として、筋交いに使う予定の45×105×4mの材を梁の間に掛け渡しています。
この上を歩いて移動するのは、見晴らし良くて気持ちいい(^^)
この家の東西方向は3間で、屋根は中央から分かれる切り妻
だから垂木は水平距離1間半+軒先分が必要で、4m材を用いたのですが、必要長さよりやや長い。
こういうのは長いまま取付け、後で墨を打って一直線にカットします。
画像は必要長さに切り揃えた状態。 この状態から野地板を貼る前に、軒先部分に「ひねり金物」(=垂木止め金物)を取付け、軒先の桁の上に、垂木と垂木と間に面戸板を取り付けます。
この家は外壁通気工法ですが、通気の出口は屋根裏に回して棟換気・・・ではなくて、軒天の有孔ボードから出すことにしたので、面戸はふさぎます。
垂木を全部取りつけたら、この足場を歩くのが大変になった(笑)
しゃがんだ状態で移動します。
玄関の上にこのような小屋根があるので、隅木がつきます。
こうなると隅木に取りつく垂木端部の角度が複雑です(^_^;
野地板貼り前の一仕事
ひねり金物と面戸板がついたところです。 面戸板は垂木材の余長部分の使いまわしです。
野地板の取付け
野地板の材料は12ミリ耐水合板にしましたが、足場屋さんがこの位置に材料を荷揚げしてくれていたので、一人でも作業がとっても楽にできました。 屋根の上から材料を直接取れますからね(^^)
以前自宅を作ったときは、2階建ての屋根の上まで全部自分で担ぎ上げたんだよな~ (しみじみ・・)
なお、この作業をするときは、画像にように適当な桟木を仮留めしておくと足掛かりになり、恐怖感や危険度が和らぎますよ(^^)v
合板の継ぎ目が一直線に並ばないよう、ズラします。 いわゆる「千鳥貼り」
一直線に並んでしまうと、そこが面としての強度の弱点になるので・・・
野地板合板の取付けは、垂木のライン上にN45釘を150ミリピッチで打ちつけました。
エアネイラーがあれば作業が速いでしょうけど、持っていないので、地道に玄能で打ちました。 まあこの程度の規模の屋根なら大したことないです。
破風板・鼻隠しの取付け
破風と鼻隠しの材料は、スギ板にしました。
一般的な住宅は、破風・鼻隠しの下地として木材を使い、表面を金属板で覆うのが多いと思います。
でもこの家では、木材に直接ペンキを塗って仕上げとします。 そのほうが自分の好みだし、カントリーっぽいかな? 金属板仕上げの費用も浮くし・・・これが一番(^_^;
破風・鼻隠しに使う板は、24×240×3650 のサイズのスギ板
これは木材店でも破風用として常備している定番寸法のようです。(厚さ21とか、幅210とか、いろいろ指定できますけど)
これは荒板なので、片面のみ、自動かんな盤を通しました。
よく、「外用木材は、かんなをかけないほうが塗装には良い」という話もあるけど、木材保護塗料のような浸透性のものならともかく、ペンキを塗るなら表面は滑らかなほうが断然いいですよ。
まずは木端(こば)面から・・・
ウマの上に板を並べ、板と板の間に、スペーサーとして合板の切れ端をはさみ、最後にグッと押し付けて留め板をクランプで固定。 これで作業がしやすくなりました。
ペンキはアサヒペンの水性ペイント 「スーパーコート(白)」 を使用。
水性といえども、耐久性はかなりあるようで、過去にもこのペンキはよく使いましたが、日常的に雨掛かりにならない限り、かなりもつようですよ。
水性ペイントは扱いやすいので助かります。
広い面はローラーで塗り塗り・・・
基本的に2回塗りします。 水性ペイントは乾きが早いので塗り重ねも楽です。
それでも、節のある部分が、後からシミが出てくることがあるので、そこだけ3回目を塗り重ね。
本来は先にシーラーを塗っておけばいいのだと思います。
余談だけど、破風・鼻隠しを取り付けた後、少し余ったので、プランターを2個作りました(^^) 破風と同様、白ペイント
さて、塗装済みの板を現場に取りつけますが・・・
4m近い長い板を、足場の上で一人で正確な位置に取りつけるのは、何か工夫しないとなかなか大変
そこで、あらかじめ地上で天端2箇所に、コンパネの切れ端をビス留めしておきます。
現場に持ち上げ、コンパネの切れ端を野地板の上に乗せれば、破風板天端は野地板と同じ高さに落ち着くので、この状態で釘打ち固定
こうすれば一人作業でも楽勝(^^)v
ステンレススクリュー釘を、垂木と母屋端部に打って留めます。
全部取りつけたら、釘頭にもペンキを塗り、目立たなくします。
こんな感じになりました。 個人的には、破風はやっぱり白がいいなぁ~
自宅の破風はウォールナット色にしてしまったので・・・
さらに、屋根本体の軒先となる「唐草」からしたたり落ちる水が鼻隠しに直接かからないよう、スペースを取るために、30ミリの小角材を取りつけます。
これを広小舞と呼んでいいのかどうか分かりませんが・・・。 この小角材の下側の面だけはペンキを塗っておきます。
雨仕舞を考えれば、破風と鼻隠しの取り合い部は、破風の勝ちとします。
ペンキを塗っていない箇所(板の切断面や釘頭)には、あとでペンキを塗っておきます。
この状態で、あとは屋根屋さんにバトンタッチしました。
屋根屋さんが施工に入るまで、ブルーシートで養生
シートが風で捲られないようにするには、ハトメにロープをかけたりするとすぐに裂けてしまうので、画像のように、適当な板で面的に押さえたほうが断然強いです。
今回はコンパネの切れ端を要所要所にビス留め
屋根屋さんが入る直前の状態
長尺カラー鉄板横葺き屋根がついて、このように完成しました。
氏家誠悟(seigo uziie)
2004年からこのサイトを運営している個人です。自分で家2棟、小屋2棟をセルフビルドしました。「自分でわが家を作る本。」の著者です。
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ご自分で家を建てるために、きっとお役にたつと思います。