DIY日曜大工で家をつくる
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セルフビルドに資格は必要か?


自分で家を建てるのに、何か資格が必要ですか?

じつは、2004年にこのサイトを立ち上げて以降、多くの方からこのような質問をいただきました。
この答えを書いてみると、

  1. 木造建物については、作ること自体に資格は必要なし 。でも延べ面積が100㎡を超える場合は、その設計と工事監理は、建築士の資格を持った者でないとできない。

  2. 電気配線をするには電気工事士の資格が必要。

  3. 公設の水道管に繋ぐ給水工事は、自治体の指定した業者でないと施工できない。

  4. ガスの工事も業者のみ。

  5. 電話線の配線も業者のみ。
・・・ということになるんですが、最初の1のところで誤解している人が多いようです。


100㎡というのは坪に直すと30坪なので、普通の住宅の規模では、これを超える場合も多々あると思います。

もしも自分で建てたい家が35坪だったら、設計と工事監理は建築士でないと出来ない・・・ということになり、この文章だけ読むと、資格のない人はセルフビルドができないような錯覚に陥るかもしれませんね。

でも、資格要件があるのはあくまでも「設計」と「工事監理」だけであって、「施工」ではありませんから、建築士に設計と工事監理を依頼して、施工を自分でやるのは一向に構わないのです。

もちろん、建物の延べ面積が100㎡を超えない規模、例えば29坪なら、設計にも工事監理にも資格要件は無いので、建築士に依頼しないで全部自分でやってしまうこともできます。
(もちろん、前述2~5の設備関係は除いて)

【 参考 : 建築士法抜粋 】
(一級建築士、二級建築士又は木造建築士でなければできない設計又は工事監理)

第3条の3 
前条第1項第2号に掲げる建築物以外の木造の建築物で、延べ面積が100平方メートルを超えるものを新築する場合においては、一級建築士、二級建築士又は木造建築士でなければ、その設計又は工事監理をしてはならない。

建築確認申請書には「建築主」「設計者」「施工者」「工事監理者」を記載しなければならないので、延べ面積100㎡以下のセルフビルドで、全部自分でやりたい場合は、それらはすべて自分の名前になり、
(私の家の、最初の確認申請書がそうでした。)

延べ面積が100㎡を超える場合は、設計と工事監理を、建築士に依頼して、

 建築主  ⇒ 自分の氏名
 設計者  ⇒ 建築士さん
 施工者  ⇒ 「直営」と記載する
 工事監理者 ⇒ 建築士さん

・・となります。
(私の家の、変更申請がそうでした。 途中で100㎡を超えたので・・・)

この場合、当然建築士さんには設計料と監理料を支払うことになるわけですが、実際の設計と工事監理をどこまでやるのか?
これは現実にはいろいろなパターンがあって、依頼する具体的な内容と費用は、両者の話し合いで決めることになると思います。

例えば設計を、間取りも含めて1から10まで建築士にお願いする場合もあるでしょうし、図面作成まで含めたかなりの部分を自分で描いて、建築士にはそのチェック・加筆修正だけお願いする場合とか・・・
(これ、私の自宅の変更申請の例)

工事監理も、かなり頻繁に現場に足を運んで指導してもらう場合や、ほとんど現場に来ないで要所要所の確認だけの場合もあり得るし・・・
すべては両者の話し合いですね。

【 参考ページ 】 私の経験談です。
建築士に設計を依頼するとお金はかかるけど、図面の省略など数々のメリットがあります。
もっと知りたい方はこちらも参考にどうぞ ↓

建築確認申請を建築士に依頼するメリットなど


今のは、木造建物の2階建てまでのお話です。3階建てになると、いかに面積が少なくても建築士でないと設計できないです。

でもまあ、一般的なセルフビルドだと普通は2階建て以下でしょうから、延べ面積100㎡(30坪)がひとつのラインと覚えておけば良いかと思います。

※ ただし、これは法律の話であって、都道府県によっては条例でこれより厳しい規制をかけていることがあります。

私の知っている限りでは、たとえば静岡県では、無資格者が設計できる木造住宅は60㎡までとのことです。(2012.3現在確認)

だから、実際にセルフビルドを始めるなら、何よりもまず建てる土地の市町村役場などへ問い合わせ、その土地の具体的な規制を直接聞くのが一番確実です。


いずれにしても、「施工」は自分でやれますよ。資格は必要ないですから。
ただし、設備工事の一部(前述の2~5に書いたもの)は、それぞれ資格が必要だったりしますが・・・

このうち、電気工事士は誰でも受験できるので、セルフビルドをするなら取っておくとすごく便利な資格です。
私も受験して「第二種電気工事士」を取りましたが、本当に取って良かった! と思っています。


私の著作物です (本とDVD)


関連ページ
第二種電気工事士の資格を取るには


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