自分で家を建てる方法・手順
全くの素人が取り組むには、何からはじめて、どうすれば良いのか? 具体的手順をご紹介。

ここで言う自分で家を建てるというのは、自分が施主となって業者に工事してもらう・・・ ということではなく、自らが設計者・施工者となって家を建てることです。
つまり、自分で設計し、コンクリートを扱い、木材を切り、釘を打ち、配線したり設備の取り付けをしたりして家を作り上げるという意味。
そんな突拍子もないこと、出来るわけないだろう!
と思うかもしれませんが、世の中にはそうやって建てた人は数多く存在しているし、私もその一人。 素人でも決して無理なことではないんです。
とはいえ、いったい何から始めて何をどうすれば良いのか見当がつかない・・・というのが普通だと思いますので、私の経験(反省も含め)をもとに、建てる前の準備と実際の施工に分けて、家作りの手順を順番にまとめてみました。
細かく見ればもっと効率の良い方法もあるかもしれませんが、実証済みですので、おおむね間違いないはずです。
それぞれの内容についてはサイト内に詳細ページがあり、リンクを貼っていますので、ご覧いただければ幸いです。
なお、工法は在来工法(軸組み工法)ですが、ツーバイフォー工法でも一部が違うだけで、ほとんど共通事項が多いはずです。
--- 目 次 ---
準備編
1、土地を手に入れる

最初から土地を持っていればいいけど、そうでない場合は土地を手に入れることから始めなくちゃならないですね。
家を建てるために土地を買う場合、知っておかなければならない重要な事柄があります。建物を建てられない土地もありますからね。
規制の厳しさの違いとか、建築確認の要否とかが関係するので、その辺の事はこちらのページでまとめました。
⇒ 家を建てられる土地とは
⇒ 建築確認申請はどんな場合に必要?
2、どれだけの時間を費やせるのか想定してみる

自分で工事して家を作るんだから、当然時間はたっぷりかかります。
でも現実には時間を無限に費やせる人なんていないので、どのくらいの日数を掛けられるか、ある程度は想定しておかなくちゃマズイですよね。
家作り工事にかかる日数というのは、その建物の規模と、どこまで自分でやるのか(=どの部分を業者に頼むのか)に大きく関係します。
なので、始める前にこのことをしっかり現実的に考えておくことが、失敗しないためにとても重要です。
⇒ どのくらい時間がかかるものなの?
3、費用を想定してみる

時間よりは想定しやすいけど、お金のことは現実問題としてとても大事ですよね。
実例をもとに、セルフビルドの家作りにかかる費用について、以下のページで詳しく紹介しています。
⇒ セルフビルドの費用について
4、資格を取れるものは取っておく

素人が自分で家を作ること自体に特に資格は必要ないんですが、全工程の中ではその資格がないと出来ないものもあります。その辺のことはこちらにまとめています。
⇒ 家を作るの必要な資格とは?
私としては、第二種電気工事士の資格を取っておくことをお勧めしたいです。
これがあると、自宅の屋内配線を自分でできるようになるからです。
資格がないと屋内配線は電気屋さんに頼むしかないですが、ほかの作業工程(断熱材とか内装とか)を進めるのに電気屋さんと日程調整しなければならず、マイペースでの作業進捗ができず面倒。
それに、家が完成して住み始めた後でも自分でコンセントを追加できたりして便利ですよ~
⇒ 第二種電気工事士の資格を取るには?
あと、基礎工事を自分でやるならバックホーの運転資格は是非とも取っておくといいです。労力は天と地ほど違いますよ!
最短2日あれば取れるのでご検討を・・・
⇒ バックホーを運転するには?
5、設備機器の図面や施工説明書をゲットしておく

さて、いよいよ設計に取り掛かります。
設計というと間取り(平面プラン)を考えるのが一番最初と思うかもしれませんが、私の経験(=失敗の経験)からいうと、間取りについては当面はラフスケッチ程度にしておいて、まず設備機器について少し詳しく調べといたほうがいいようです。
具体的には、キッチン、お風呂、トイレ、洗面台、給湯機器、暖房器具、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、換気設備のことです。
こういうものって、給排水、吸気・排気などで、外の世界と通じていますよね。(冷蔵庫は別だけど)
当然、床や壁に穴をあけ、または基礎コンクリートに穴をあけて配管しなければならないので、どの位置にどういうサイズの穴をあけておくのか、あらかじめ正確に調べておくと後々の工事がスムーズに進むのです。
すべて電気を使うものでもあるので、壁のどの位置に配線を引っ張っておくべきかも重要な情報です。
キッチンやお風呂は大きいので、間取りを考える際に具体的なサイズを知っておかないと後々失敗することになりかねません。
先に枠を決め、後で設備を無理に入れ込むのではなく、設備の正確なサイズを知ったうえで過不足なく間取りを考えるほうが断然うまくいきますよ。
では具体的にどうやって情報を得るかというと、
- まずは家電店やインターネットで、めぼしい商品をいくつか選ぶ。
- 家電店でもらえる無料カタログに、図面が掲載されていることがある。
- メーカーのウェブサイトで、品番ごとの図面や施工説明書(PDFファイル)が載っていることもある。
- TOTO や LIXILなど、メーカーのショールームを巡って情報収集する。ショールームでは、大抵無料で詳しい図面付きのプランを作成してくれる。
- メーカーのウェブサイトにある問い合わせコーナー(お客様サポート)などを活用し、わからないことは積極的にメールしてみる。
6、設計をする(間取り編)

さあ「間取り」を考えましょう。これは家作りの中でも一番楽しい作業になると思います。夢がありますからね。(^^)
このとき、事前に調べておいた設備機器の寸法などの情報が役に立ちます。 例えば市販のキッチンの横巾は180cm、240cm、255cm、270cmというふうに種類があるので、どのように配置すると動線がどの程度確保されるかなんかを考えながら、部屋全体のサイズや形を効率良く計画できるのです。
間取りプランに役立つ本
例えばドアの開閉方向や天井高さ、階段の幅や勾配、廊下の巾など・・・快適な家にするための知識ですね。この書籍が役に立ちます。
7、設計をする(構造・材料編)

間取りの後は、構造的なことを煮詰めていきます。
地震や台風で壊れない家にしないといけませんからね。
2階建て以下の木造住宅の場合は「構造計算」というものは必要ないですが、「壁量計算」をして耐震性などを確認しなければならないことになっています。
また、使う木材の断面寸法も最低ラインが決まっていたり、接合部の補強方法なんかも基準があります。
もちろん、基礎の構造にも決まりがあるし、その他たくさんの決まり事があるので、勉強してからでないと取り掛かれません。
とはいえ、そんなに難しいものではありません。高校に入るくらいの学力があれば理解できますよ。
それと、家の各部 (屋根、床、外壁、内装など)に使う材料を何にするか決めます。
材料によっては防火やシックハウス防止の観点から規制があります。例えば「コンパネ」は使えません。
最後に各種の図面を描きます。このうちいくつかの図面は建築確認申請に必要になります。
延べ面積100平米以下の木造建物の設計は、法的には素人がやってもよいことになっているので、興味と時間があるならぜひやってみることをお勧めします。 面白いし、自分で設計した建物だと理解度が全然違いますから。
実際の設計手順を、簡単な具体例で解説したページも作っていますから、よろしければご覧ください。
( ただし小屋なので、構造的には参考にしてもらえると思いますが、住宅の場合はもっとたくさんやるべきことがあります。)
⇒ 具体的設計手順(簡単な建物を事例に)

お勧めの勉強資料
設計にしろ施工にしろ、事前の情報収集が多ければ多いほど失敗のリスクが少なく、効率よくできることは間違いないです。
今はネットでも情報収集できますが、やはり書籍でじっくりと勉強することも絶対必要です。
私が読んだ本の中から、お勧めできるものを以下のページで紹介していますので、よろしければご覧ください。
8、建築確認申請をする

図面ができても、役所の建築確認が下りなければ作れません。(条件によります。)
※ 現在は役所というより、日本建築センターが窓口になっているようです。
⇒ 建築確認申請はどんな場合に必要?
建築確認申請は前述のとおり延べ面積100平米以下の木造なら素人でも出来るんですが、私がやった頃(平成6年と17年)に比べて、現在はけっこう煩雑になっています。
お金はかかるけど、プロ(建築士や設計事務所)に依頼するのが現実的な方法かと思います。お金がかかる分、いろいろとメリットが多いです。
⇒ 建築確認申請をプロに依頼した事例、メリットなど
勉強すれば自分でも出来ないことはないです。実際にやられた方もいます。
建築確認申請については、この本が万能のマニュアルになるでしょう。
9、工具を手に入れる

工具は性能の良いものをたくさん持つに越したことはありませんが、かけられる予算も無限じゃないですよね。
私の経験では、家作りで一番多く使う工具は、電動工具でいえばインパクトドライバーと丸鋸です。
なので、この2つだけは予算をケチらずに、十分な性能のものを選ぶべきだと思います。
手持ち工具で絶対必要なのは、鋸、金槌、差し金、メジャー、カッターナイフ、水平器、水糸、墨壺といったところですが、工事が進むにつれ他にも欲しくなってきます。
もし基礎工事も自分でやるなら、スコップ、ツルハシ、一輪車(ネコ車)、バーベンダー、ハッカーなども必要です。
電動としては他に、電気ドリル、サンダー、ディスクグラインダーなんかも必要になってきますが、最初から全部揃えるというよりは、必要な都度買いそろえていくのが良いのではないでしょうか。
ものによってはレンタルできる工具もあるので、うまく活用して費用を節約しましょう。
特に、基礎工事を自分でやる際にはバックホーやランマなどを使いますが、流石にこんなのを個人で買うわけにいかないけど、レンタルができますよ。
施工の手順
1、地盤調査

スウェーデン式サウンディング調査の様子
法的に必須というわけではないけど、基礎の構造を決めるため現実的にはほとんどの場合、やっているようです。
スウェーデン式サウンディング調査の場合、5~10万円が相場・・・と聞いたことがありますが、私は3万円でやってもらったことがあります。実例について以下のページで紹介しています。
⇒ 地盤調査の業者選定経過と、調査結果への対応事例
2、遣り方を作る
基礎工事をはじめる前に、木の杭と板で、建物予定地の周囲をぐるりと囲みます。
建物の基準線の正確な位置を出し、水平を確保するためのものです。
プロは測量器械を使ってやりますが、測量器械がなくても出来ます。 水糸の扱い方なんかもここで覚えましょう。
⇒ 縄張り・水盛り・遣り方の方法
⇒ 水糸の張り方
3、仮設電源を設ける

現場で電動工具を使うためには、発電機を買うか、電力会社に申請して現場に仮設電源を引いてもらうかのどちらかになります。
コスト的には発電機のほうが安いかもしれないけど、使用中は音がうるさいしガソリン代も馬鹿にならないです。 それを避けるには工具を使うたびに発電機のスイッチをon/off
しなければならず面倒ですね。
電力会社に仮設電源を申請すると、近所の電柱から電線を引き込んで、現場に小さな分電盤のついたミニ電柱を立ててくれます。これなら普通のコンセントと同じに使えるのでとても便利 (^^)v
私の自宅建築のときは東北電力にお願いし、費用は架設・撤去含め10万円以内だったように記憶しています。(かなり前のことでアヤフヤですが・・)
電力会社に「臨時電灯」とか「工事用仮設電源」とかいって相談するといいです。
契約プランも何種類かあるので、無駄な費用がかからないよう、自分に合ったものを選びましょう。
電動工具は通常15A以下だし、同時に1台しか使わないので、契約電流は単相100V、20Aでコンセントが2個もあれば工事中は十分でしょう。夜でもライトを点けて丸鋸を使えますよ。
契約プランのことや申請書の書き方は、電力会社に直接赴いて相談するのが手っ取り早いです。
4、基礎工事

わが妻もときどき(・・ホントに時々だけ)手伝った。(^_^;
セルフビルドの工程中、一番体力的にキツイのが基礎工事・・ と私の経験ではそう思います。(^_^;
小屋程度なら自分でやるのは現実的ですが、規模の大きな住宅基礎を一人だけでやるのは正直とても大変なので、十分な時間があって体力にも自信がある方にしかお勧めしません。(^^ゞ
基礎工事については当サイト内にたくさん記事を書いていますので、よろしければご覧ください。
⇒ DIY基礎工事の記事一覧
5、木材刻み、またはプレカット依頼

在来工法で建てる場合は、柱・梁・桁・土台など(=「構造材」といいます。)の継手、仕口の加工をします。
まず、図面を見て必要な材木の種類・寸法・本数を拾い出し(=「木拾い」といいます。)、木材店から材木を買い・・・
次に、それぞれの材木に、加工線を墨付けし、ホゾや継手を刻み・・・
その他、材木どおしを組んだときにボルトで締めたりするので、ボルトが通る穴もこの段階であけておく・・・という感じの作業です。
まさに「大工仕事」って感じで面白いですよ。(^o^)┘
こういう作業は自分でやることもできるけど、専門業者(=プレカット業者)に一括依頼することもできるんです。
プレカットを利用すれば、自分に技術がなくても正確な構造材を用意できるし、家作りにかける時間を大幅に節約できますよ。
ちなみに現代の家作りは、一部こだわりのある業者を除いて、ほとんどがプレカットを利用しています。
⇒ 個人でプレカットを利用した事例
⇒ 木材加工の記事一覧
6、土台の据え付け

これまでに加工した構造材を現場に運んで組み立てるんですが、最初に「土台」を基礎コンクリートに乗せ、アンカーボルトで緊結します。
アンカーボルトを通す穴をあけるのは、現場で位置合わせしてからあけることになるので、けっこう時間がかかるんです。
プロの現場では普通、一日で棟上げを終えてしまうけれど、セルフビルドでは土台の据え付けだけは先行しておき、棟上げは改めて別の日にやるというのも現実的なやり方です。
7、棟上げ
据え付けしておいた土台の上に、梁・桁・小屋束・母屋・棟木まで組み上げる作業のことです。「上棟」ともいいますね。
現代では、これに先立って周囲に足場を組んでおくことが常識になっており、セルフビルドの場合はこの「足場架設」が悩ましい問題でもあります。
足場業者に頼むと簡単だけど、セルフビルドは一般的に架設期間が長いので、それだけ費用も多くかかるからです。
また、この作業は危険も多いので、プロに依頼することも考えたほうがいいでしょう。
⇒ 足場のレンタルについて
⇒ 棟上げ作業をプロに依頼した実例
8、屋根を葺く
母屋、棟木に直交させて垂木を掛け、野地板を張って屋根の下地とします。
屋根材料はいろいろ種類があるけど、野地板に直接乗せるのではなく、野地板の上には必ずアスファルトルーフィングを貼り、その上に屋根材を乗せていきます。
屋根材としては金属板、瓦、スレート系などいろいろあるけど、DIYでやるならカラーベストか、アスファルトシングルか、ガルバリウム波板あたりが施工しやすくて適材だと思います。
ツーバイフォー工法だと下から順に作っていくので屋根が最後になりますが、在来工法の場合は真っ先に屋根を作り、雨に濡れる心配をなくしてからその他をじっくり施工できるので、長い時間がかかるセルフビルドでは、その点が有利ですよ。
⇒ セルフビルドの屋根作り
9、耐力壁を作る

耐力壁を構成するには、筋交いを使うか、構造用面材(合板など)を貼るかになりますが、面材を貼るほうがいろいろ有利な点が多いと思います。
ただし、例えば開放的にしておきたい下屋など合板がふさわしくない場所や、そもそも合板は嫌いだ!・・・という場合には、筋交いで耐力壁を構成することになります。
⇒ 構造用合板の貼り方
⇒ 筋交いの入れ方
10、窓、ドア、外壁

私の自宅の窓・外壁の様子
家の外回りの仕上げ材である、窓、玄関ドア・勝手口ドア、外壁
順番的には先に窓やドアを設置し、その後、外壁となります。外からの水が浸入しないようにする「雨仕舞」の関係上そうなるのです。
⇒ 窓枠と窓の取り付け
⇒ 外壁サイディングの施工
11、床の下地と、配管工事

床の下地というのは「大引き」とそれを支える「床束」、そして大引きの上に掛け渡す「根太」と、根太の上に貼る「床下地合板」を差します。
このとき、合わせて床断熱材も敷きこみます。
最近では根太を省略して、大引きの上に直接、分厚い下地合板(=根太レス合板)を貼る工法が流行ってますけど・・
なので、床下に配置する排水管や給水管・給湯管などは、床の下地ができる前に配管しておきます。
給水工事はほとんどの場合、自治体の指定する業者でなければ、公共上水道菅に接続する工事ができないはずなので、給水菅工事(合わせて給湯管の配管など)は業者に依頼することになると思います。
給水管や給湯菅は、床から立ち上げるのか壁から出すのか、設備機器によっても違います。
どの位置にどのように立ち上げておくか・・・ なんてことは、設定段階で調べておいた設備機器の図面や工事説明書を見て決めるわけです。
そのため、基礎工事をはじめる前までには、こうした図面などに目を通しておき、タイミングを見て水道工事業者に配管工事を依頼するなどしたいところです。
⇒ 大引き・根太など床下地の施工
⇒ 床断熱の方法
12、配線する

壁の中には断熱材が入るので、その前に電気やLANやアンテナ線などの配線をしてしまいます。
配線は主に天井裏と壁の中を通すので、天井や内装壁を作る前のこの段階でやっちゃうわけです。
家の中のどこかに分電盤の場所を決め、そこを始点に電線を張り巡らすんですが、スイッチやコンセントの予定地にある柱や間柱にスイッチボックスを固定し、そこまで電線を延しておき、配線作業はひとまず終了。
最終的にスイッチやコンセント等を取り付けるのは、内装壁が完成してからです。
⇒ 電気の屋内配線
13、壁断熱材を入れる

断熱の方法も外張り断熱と充填断熱がありますが、充填断熱(いわゆる内断熱)の場合は、この段階で柱や間柱の間にグラスウールなどの断熱材を押し込みます。
⇒ 壁断熱材の施工
14、天井を貼る

天井下地は、野縁と呼ばれる細めの角材を格子状に(通常1尺5寸ピッチで)組み、周囲の野縁は壁の柱・間柱に固定し、中央は梁からぶら下げた「吊り木」に固定します。
組んだ野縁に天井仕上げ材をビス留めなどで貼っていくんですが、その前に、天井照明のための「引っ掛けシーリング」の取付位置に、野縁に穴をあけて電線を通しておいたり、天井で断熱する場合は断熱材を野縁の上に入れ込んだりします。
さらに、ダクトを使った換気システムを採用している場合は、野縁を組む前にダクトの配管も終えておきます。
⇒ 天井の施工
⇒ 引っ掛けシーリングの取り付け方法
15、床、内装壁の仕上げ

仕上げ材料は多種多様ですが、一番ポピュラーなところでは、床にはフローリング、壁には石膏ボードをにクロス仕上げ・・・といったところでしょうか。
どちらが先でも良いけど、施工中に床が傷付くのを避けるために、壁を先にして後から床を仕上げたほうが効率が良いと思います。
最後に、床、壁、天井のそれぞれが出会うラインに、「巾木」、「廻り縁」と呼ばれる見切り材を取り付けて境目を美しく隠します。
⇒ 内装壁の例(珪藻土壁の施工)
⇒ フローリングの貼り方
⇒ 見切り材の自作と取付け
16、内装建具の取り付け


室内のドアや引き戸の取り付けです。
これらは、市販のものを買って取り付けるのか自作するのかでも、壁の端部とのおさまりが違うので、内装壁の仕上げと順番が前後するかもしれません。
⇒ ドアの作り方 まとめ
⇒ 引き戸の作り方 まとめ
17、設備の取付け

設備の取り付けを便宜上最後に持ってきましたが、じつは種類によっては最後ではダメです。
お風呂をユニットにする場合は、内部の壁や開口部が完成してからでは工事が難しくなってしまうので、ショールームなどで図面やプランを作成してもらった際にでも、よく聞いて確認しておいたほうが良いでしょう。
また、ダクトを使った換気設備も、天井や内装を仕上げる前に取り付け終了しておきます。
それ以外の、キッチン、トイレ、洗面台、暖房器具、エアコン、換気扇については、逆に、フローリングや内装壁仕上げの前に取り付けてしまうと、内装仕上げ作業がすごく面倒になってしまうので、一番最後にしたほうが良いです。
⇒ お風呂ユニットの取り付け
⇒ キッチンの取り付け
⇒ 簡易水洗トイレの取り付け
⇒ シャワートイレ(便座)の取り付け
⇒ 換気扇の取り付け
⇒ 洗濯機排水トラップの取り付け
⇒ 混合水栓の取り付け
建てた後の手続きなど
1、電力会社への電気使用申し込み

屋内配線は電気工事士の資格を取れば自分でもできますが、電柱から分電盤までの引き込み工事はできません。
この部分はプロの電気屋さんに依頼しましょう。
実際に電気を使えるようになるには、電力会社に書類を出して申請しなければならないです。
これには屋内配線図なども添付する必要があり、申請を受けた電力会社(または委託機関)から、後日、検査員がやってきて配線状況を実地で検査します。合格してはじめて受電できるようになるわけです。
電力会社への申請は、私の場合は、引き込み工事を依頼した電気屋さんに代行してもらいました。その方が現実的でしょう。
添付する配線図については、屋内配線を自分でやった場合は自分で描いているはずなので、それを渡してやってもらいます。
2、完了検査、登記
工事が終わったら、役所など然るべき機関からから完了検査を受けなくてはなりません。
さらに、1か月以内に建物表題登記をしなければいけません。(表題登記は義務)
これで法的にも名実ともに「自分の家」が完成したことになるわけです。
完了検査や登記についての詳しくは、こちらのページをご覧ください。
⇒ 家を建てた後の事務手続きについて
最後に
最後まで読んでいただいたアナタ。 ありがとうございます。
多分・・・
なんて果てしない道のりなんだ! 到底無理! と思われたことでしょう。
そうなんです。 それなりの規模の住宅を、1から10まで全部自分でやろうとすると、大変な時間と労力を要します。
技術的な面だけなら、家作りのほとんどの工程は、素人でも少し勉強し、少し慣れれば大抵クリアできるものなんですが、時間と労力は相当かかっちゃうんです。
小屋ならば楽しい範疇で済むと思いますが、それなりの規模の住宅となると、1から10まで全部自分でやるのは正直言ってあまりお勧めできるるものではありません。
私は知らずに全部やってしまいました。 休日をほとんど投入し、最後は意地になっていたようなもんです。(^_^;
なので、小屋ではなく家族が住む「家」を作る場合は、プロの建築士と組んでいろいろ相談しながら、建築確認申請、基礎工事、プレカット、配管工事などを業者に任せ、自分は無理せず楽しい作業だけに専念するという方法が現実的だと思います。
時間的に大幅短縮できるし、安心感も違います。(^^)