DIY日曜大工で家をつくる
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フローリングの張り方

DIYでフローリングを貼る

下地合板の上に、市販のフローリング(厚さ12ミリ)をDIYで施工する工程を詳しくご紹介します。

材料と下地のこと


一般的な複合フローリング(合板で出来ていて表層だけに広葉樹のつき板を貼っているもの。)はホームセンターで簡単に手に入ります。

これはなにしろ安い! 1坪あたり5千円程度か、B級品なら1坪あたり3千数百円なんてのもありますからね。
単位面積当たりの単価が、コンパネなどの合板類と同じか、下手すると安いくらいかも (^_^;

このフローリングの張り方(貼り方)の注意点としては

 1 最初に割り付けをうまく考えること
 2 基準線をきっちり真っ直ぐに出すこと
 3 合端を隙間なく密着させること


 ・・・くらいで、特に難しいことはなく、DIYで十分施工可能だと思います。

注) 以上は、合板の複合フローリングの場合です。 無垢フローリングの場合はまた別の難しさがあります。

複合フローリングの梱包状態です
箱入りフローリング搬入時
(1坪単位で梱包されている)
フォースターの表示はこうなっています
箱に☆☆☆☆の表示があるものは、内装に無制限に使えます。(今はコレが一般的)

フローリングの下地について

フローリング張りの下地としては、根太に直接打ち付ける方法もありますが、これだと厚さが30ミリ以上のフローリングでないと強度的に弱いと思います。
さらに、長さ方向の継手が根太の上に来ないといけないなどの制約があり、施工がやや面倒。

厚さ12ミリのフローリングなら、根太の上に下地の合板(12ミリ厚)は是非ほしいものです。

フローリング本体と合わせて、厚さの合計は24ミリとなり、根太のピッチ(配置間隔)が1尺(303ミリ)である一般的な住宅の床としては十分です。

※ なお、根太や大引き、下地合板などの床下地作りについては、こちらのページを参照してください。
    ⇒ 床の下地を作る




フローリングを張るための道具

フローリングを張るための道具一覧


基準線を打つための墨壺(またはチョークライン)

フロア釘を打ち込むための玄能(いわゆる金槌)と釘締め(ネイルポンチ)

床用接着剤をつけるためのコーキングガン

さしがねと、写真には写ってないけど、長さを測るためのメジャー(コンベックス)も当然必要です。
あと、場合によっては(床面の目違いを取るため)

掃除機もあったほうがいいです。(常に床面のホコリを取るため)。なければ箒

必須ではないですが、長時間座って釘打ちすると膝が痛くなるので、座布団があると具合がいいですよ。

最初に「割り付け」をよく考える


一般的な複合フローリングのサイズは1尺×6尺(303×1818ミリ)だから、部屋のサイズを測ってフローリングが縦横方向それぞれ何列で何枚になるか、あらかじめ計算しておくと良いですヨ

気をつけるのは例えば次のような場合……

根太の流れる方向の部屋の内側サイズ(下図の長さA)が3350ミリで、フローリングの有効巾が303ミリの場合は、
3350÷303=11.05 なので、フローリングを11列貼った残りの巾は3350―3333 = わずか17ミリ!!
最後の1列はすごく細いため、事実上施工できない (-_-;)

  ・・・なんてことになりかねないからです。


このような場合は、最初の1列の材料を巾200ミリ程度に縦カットすれば、最後の1列の巾が120ミリとなり、十分施工できるので、このようにして最初に割り付けをよく考えておきます。

巾方向だけでなく、長さ方向も同様、壁際の端部があまりにも短くなることがないように、また、継手が一直線に並ぶことがないように、最初の1枚の長さを考えておきます。(カットせずそのまま1818ミリでいくのか、あえてカットしたものを張るのか)

割り付けの考え方を図解で説明するとこうなります

上の図のように、最初の1段目は壁にピッタリくっつけず、5ミリ程度離して張るように、♂実側に基準線を打つといいです。

なぜかというと、壁のラインは、一見真っ直ぐに見えても、完全でないこともあるのです。
ほんの少しでも波打っていたりすると、壁にピッタリつけて張ると、フローリングの大事な1段目のラインがずれてしまいます。

上の図のようにすると、そのような誤差を吸収できます。 壁との隙間は、あとから巾木で隠れるからOKなのですよ (^^)v
(巾木の厚さは1cm程度なので、その厚みより少ない分を壁際から離して貼るのです。)

床に、根太のラインと基準線を打つ


まずは下地合板の上に根太のラインを墨打ちしておきます。 これがないとフロア釘を打つ位置が分からないですから。(フロア釘は、必ず下地である根太にも届くように打ちます。)

次に、根太のラインと直角に、最初の1段目を貼るラインを墨打ち。
これがすごく重要で、このラインが曲がっていると2段目以降もすべて曲がっていってしまうのです。

※ 墨打ちには、墨つぼ、またはチョークラインを使うといいでしょう。

下地床面と根太ラインの墨
下地床面と根太ラインの墨とフローリング
墨つぼ と チョークライン

張っていく順番


フローリングは、根太の方向と直交するように張っていきます。


基準線に沿って最初の1枚を張るんですが、 このとき、♂実(おすざね)のある方向に進むようにします。

♂実の部分にフロア釘を打ってから次のフローリングの♀実(めすざね)を挿し込んで進むためです。

フローリングを張るときの割り付け手順

上図の ①、②、③ の順番に張り進めてきたとして、④のところでフローリング材をカットするわけですが、カットした材の左側を④の位置に配置し、残った右側を次の列の左端に持っていきます。

こうすれば、常に♂実が進行方向に露出するというわけです。

なお、長さ方向についても、巾方向と同様に、壁際の端部があまりにも短くなることのないように、割付けを考えたほうがいいですよ。(例えば上図の④の長さが3㎝しかない・・・なんてことのないように。)

鉋による目違い払い下地合板に目違い(小さな段差)があれば、あらかじめカンナで払っておきます。

実(さね)のはめ込みと、フロア釘の打ち付け

市販の複合フローリング材って、こんな風になっています。
フローリングのサイズと、実の配置
♂実(雄実)はこんな感じ
♂実
♀実(雌実)はこんな感じ
♀実


フローリング張りは、接着剤と釘を併用します。

コーキングガンにフローリング用(床用)接着剤をセットして・・・

床用接着剤 接着剤の塗布


接着剤は必ずしも全面的につける必要はないようで、私は棒状に2本としました。

床用接着剤は普通サイズではなく大型カートリッジの場合が多いので、コーキングガンもそれに合わせてジャンボサイズのものが必要になりますよ。

 
フロア釘 

これがフロア釘

軸がスクリュー状になっていて抜けにくいです。

12ミリ厚のフローリングを、12ミリ厚の下地合板を通して根太まで釘を斜めに打ち通すため、38ミリは必要

壁際のフローリングと巾木の関係図解

張り始めは基準線に合わせ、且つ、壁際とは3~5ミリ程度(後で取り付ける巾木の巾より狭く)隙間をあけて配置します。

壁際の釘は実(さね)に打てないので、頭から直接打ち込みますが(脳天打ち)、釘頭は後で巾木で隠れるので気にしない。

あて木を介して、横から打ち込む

次のフローリングを張るときは隙間ができないよう、♂実に♀実をはめ込み、次のフローリングを横から叩いてはめ込む。

この際、必ず当て木をします。

(あて木をしないと実が潰れる。 あて木は短いより長いほうが、力が一点に集中しないから実をつぶしにくい。)

無垢フローリングの場合は、無垢材の膨張伸縮に対応するため、フローリングとフローリングの間に紙一枚ほどのすき間を入れるが、合板フローリングの場合は、ピッタリくっつけて問題なし。

フロア釘の打ち込み

釘はフローリングの♂実の部分に、斜め45度に玄能で打ち込みます。

専門職はエアータッカーなどを使って効率良くやりますが、DIYでは普通そういう工具がないので、一本一本玄能で打ち込み、最後は「釘締め」やポンチを使って頭を沈めていきます。

釘頭が出ていると、次のフローリング材がうまく入らないです。

打ち込みの最後は玄能が届かないので深追いしないこと!
 (ギリギリまで打って玄能が当たってしまうと、フローリングの角が破損する(-_-;)

釘は当然、下地の根太があるところに打ち込みます。だからあらかじめ、下地合板の上に根太のラインを墨打ちしておくわけです。

釘締めによる仕上げ 

フローリング材って、けっこう反れているんですよ。

これを下地の床にピタッと密着させた状態で釘打ちしないといけないので、自分自身がフローリング材に乗っかり、体重で押し付けます。

すると座った状態となり、膝が常にフローリングに当たっているので、この作業が長いこと続くと膝が痛くなります(-_-;)

座布団を使うのがオススメ

掃除機 

下地床面にゴミや木屑があるとマズイので、常に掃除機をかけながらフローリングを張り進めていくといいですよ。

壁際をうまく納めるには

壁際の最後の1列の納め方図解

最後の1列を貼るときは、あて木で横から叩くわけにはいかないので、
イラストのように壁に薄いあて板をあてた上で、バールで押してやるとうまく密着します。

もちろん壁際はクロア釘を上から叩き込んで固定できます。
これが一番安全確実なやり方。

最後の1枚の、このやり方は難しいよ!

壁際の最後の1枚のフローリングを納める1方法(イラスト)

フローリングの壁際におさまる最後の1枚については、本やネットで上のイラストのような方法を紹介しているのをよく見かけます。

現物合わせで壁までの長さを正確に測り、断面を斜めに巾カットして取り付ける方法です。

斜めに切られた先端が、壁にぶつかって押され、床に密着する頃にはサネがピタッ!と密着するのでうまい方法ですが、
あくまでも寸法が正確だった場合で、尚且つ、これまで貼ってきたフローリングと壁のラインが完全に平行であることが条件です。

DIYリフォームなどで、この条件に自信がなければ、この方法はあまりお勧めできないです。

もし寸法や平行度の精度が悪くて、押し付ける途中で止まったり、床に密着した時点でサネが開いてしまっていたら、やり直すのが難しいからです。

フローリング張りの完成
ひと部屋 完成!

ちょい技、注意点など あれこれ

丸鋸(電動ノコギリ)でフローリングをカットするときの注意

丸鋸の刃は下から上にすくい上げるように切っていくので、材料の上面側は、刃が突き抜ける側になるため、バリ(=毛羽立ち)が起きやすいのです。

フローリングの表面を上にしてカットすると、大事な上面(の切断面)にバリが出て見苦しくなりやすいので、フローリングは裏返しにしてカットするのが良いです。

×
丸鋸とフローリング表面

丸鋸とフローリング裏面

実(さね)を潰してしまったときの対処法

フロア釘を打つのはそんなに難しくないけど、時々失敗して♂実を潰してしまうときがあります。
そのままでは次のフローリングが入らないので、そんなときは・・・

実をつぶしてしまった場合の、フローリングをうまく納める方法

♂実を潰してしまった箇所に当たる周辺数センチ分、次のフローリングの雌実の下側を切り取れば、難なく入ります。

同じフロアの中で、フローリングの方向が直交する場合

フローリングが同じ階の中で直交している例

左の画像はうちの1階廊下とホールが接する場所なんですが、床下地である根太の方向が、廊下とホールでは直交しているため、
フローリングも必然的に画像のように張り方が直交してしまいます。


お互いが接するラインを、段差なくきれいに納めるにはどうするかということですが・・・

◆ パターン その1  片方が♂実、もう一方が♀実のとき


これは理想的で何も問題なし。 フローリング材は短径側にも実がついているので、片方の長径側の実と、もう一方の短径側の実をはめ合わせていけばいいだけ。

◆ パターンその2  両方とも♀実のとき


私の経験では、適当な雇い実(やといざね)を作ってはめ込む方法が良いようでした。

雇い実のはめ込み

♀実の溝にちょうどはまる厚さに切り揃えた木片を用意し、これを雇い実とします。

雇い実と接着剤

ボンドをつけて雇い実を打ち込み。 ( 画像の例はちょっとボンドが多過ぎた。)

この状態で♀実どうしを突き合わせ、フローリングを張っていきます。

フローリングの直交

直交張り・・ うまくいきました。

◆ パターンその3  両方とも♂実のとき


これが一番やっかいですね。 そもそも♂と♂が出会えば戦いは避けられず、互いに相容れないのが自然の節理。 なんちゃって (^^) 

実際には両方の♂実を切り取り、トリマーやテーブルソーで溝を掘って雇い実をはめる方法が考えられるけど、やはり手間が増えるので、出来るだけこのパターンは避けるように計画したほうが良いでしょう。

両側から張り進めてきて出会う場合

あるフロアを、全部同じ方向で端から端まで張れるということは実際にはあまりなくて、別々の方向から張り進めてきたフローリングがどこかで出会うということもあるでしょう。

そのままでは♂と♂の実が出会ってしまうし、平行具合も微妙に狂っているはず。
そんなときはどうしましょう?

フローリングを両側から張り進めてきた場合の、最後の納め方図解
  1. まずはA材の♂実を含む適当な巾を、丸鋸に平行ガイドをつけてカットしてしまう。

  2. A材の巾を現物あわせで床面に墨付けし、今度はB材を床に置いてそのラインを写し取り、気持ち巾広めにカット。

  3. その後、イラストのようにお互いを山形の状態で上から押し付けてみて、ぴったり合うかどうか確認する。 キツ目がいいが、キツ過ぎるようであればカンナで調整する。

  4. 調整を終えたら床面に接着剤をたっぷり塗って、上から押し付けて貼り付ける。

  5. そのままでは浮き上がってくるので、養生板を敷いた上に天井から突っ張り棒を飼い、一晩おけば出来上がり。


以上、DIYでフローリングを張る際の基本的な事項と応用アレコレでした。 ご参考になれば幸いです。


私の著作物です (本とDVD)


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