天井を作る
羽目板天井
石膏ボード天井(ジプトーン)
私のセルフビルドの自宅では、天井の素材は羽目板天井と石膏ボード天井(ジプトーン)の2種類にしました。
このページでは、この2種類の天井の作り方についてご紹介します。
天井の下地(野縁)を組む
この家は在来工法で建てているので、野縁を組んで下地とし、天井材を野縁に固定するいう構造です。
我が家の天井高は一般的な2m40cm
野縁(のぶち)を格子状に取り付けます。野縁は 30×40ミリの杉の小角材です。(36×40の野縁もあります。)
写真は、野縁を打つラインに墨打ちしているところ。
野縁は天井下地であるため、間隔は天井材の寸法によって決まります。
写真の洗面所は、910×910 サイズの天井用石膏ボード(ジプトーン)を貼るので、野縁間隔は455ミリです。(910の半分)
なお写真で野縁の上(天井裏)に見えるのは24時間換気システムの換気ユニットです。
格子状に組んだ野縁を「吊り木」で吊り下げます。
天井を全く水平に作ると、中央部が垂れ下がったように見えるので、実際には中央部をやや上に押し上げた状態で固定します。
天井下地(野縁)を吊り下げる吊り木は、直接根太や梁につけてしまうと2階の振動が天井に伝わりやすくなるため、梁間に「吊り木受け」の材を一旦掛け渡し、そこに吊り木を固定するようにします。
私は「吊り木」を木ではなくT字金物を使いました。強くて簡単・・・やりやすいのです。
羽目板天井を作る
腰壁などにも使われる無垢材の羽目板を天井材として使用。 軽量なので取り扱いも楽です。
これを内装壁材と同じようにそのまま釘で天井下地に固定すると、簡単には取り外せなくなってしまいます。
そこで羽目板5~6枚をワンセットにしてあらかじめ桟木で連結し、天井下地材にビス止めしました。端部の雌実の内側を切り取っておきます。
こうすることで簡単に取り外し出来るようになりました。
羽目板天井の作り方
材料の入荷状況です。 ホワイトウッド羽目板、厚さ11ミリ、働き巾87ミリ、長さ3.8メートル
節が小さくて目立たないということ以上に、色がかなり白っぽいので、天井全面に使っても圧迫感がなく、部屋が暗い感じにはなりません。むしろ明るい雰囲気になりました。
自分で持ち上げられる適当な枚数を並べ・・・
裏に桟木をつけて釘留めし、各板を連結します。
ダクトや、ダウンライト(天井埋め込み照明)などの箇所にはあらかじめジグソーで穴を開けておきます。
自作の「つっかえ棒」を使って天井下地に押し付け、数箇所ビス留めして固定します。
この際、端の羽目板の雌実の内側部分をあらかじめ切り取っておきます。こうしないと、何かのときに天井板がはずせなくなってしまいます。
羽目板の雌実の内側突起を切り取っているところ。
数か所を細ビスで打ち留めて、羽目板天井の完成
ゴールド色の細ビスの頭は羽目板と色が似ているし、羽目板自体も節があって均一なカラーではないため、部屋から天井を見上げてもほとんどビスの頭は目立ちません。
羽目板の天井材は、その優しい色合いと木のぬくもりが感じられ、私としては非常に気に入っている部分です。
部屋はしっとりと落ち着いた雰囲気になりました。
天井用石膏ボード(ジプトーン)の天井を作る
私は木が好きなので大半は羽目板天井にしましたが、すべてが羽目板天井というのも変化がないしそれなりに経費もかかることから、次のスペースは石膏ボード(ジプトーン)の天井にしました。
場 所 | ジプトーンにした理由 |
キッチン | 防火上の理由から不燃材にする。 |
洗面所 | 湯気が多いので木材では不向きと考える。 |
階段 | 1階から2階まですべて羽目板の壁に囲まれているので、天井だけは変化をつける。 天井スペースは暗くなりがちなので、ジプトーンのような白い天井板が光を反射して明るく感じるかも。 |
物置 | 安い材料でいいや(^^ゞ |
天井ボードとしてはロックウールの天井ボードはいろんなデザインのものがあって素敵ですが、天井下地に接着剤でとめる施工方法なのを知って、やめました。
ジプトーンならビスだけで固定できるので、いざとなればビスを抜くだけで取り外し出来るのです。それに、何といっても安い!!
天井材を一人で効率よく貼る方法
この例は階段スペースですが、吹き抜けなので足場を組んでから作業しました。
野縁に天井用石膏ボード(ジプトーン)を張り付けますが、ボードリフターの代わりとしてT字型つっかえ棒を自作して、ボードを仮止めしました。
こうしないと、とても一人では作業できません。
自作のボードリフター(笑)は、上下2つのパーツから成っていて、両者をビス2本で固定して使います。
2つに分かれているところがミソで、各部屋の天井高さがそれぞれ違っても、ビスを打つ位置を変えれば全体の長さを買えることができ、どの部屋でもボードリフターとして使えるのです。
あらかじめ、天井高さにより最適な長さにセッティングしておき、これを作業者の近くに立てかけて置きます。
作業者がボードを持ち上げて、片手で野縁に押し付けている間に、もう片方の手でつっかえ棒を引き寄せ、斜めにスライドさせてボードを天井に押し付けます。
これで手を放してもボードが落ちてこないので、落ち着いてビス打ちなど出来るわけです(^^)v
支えがある状態で、ボードをビス留めしていきます。
今ではこのような自作治具をわざわざ作らなくても、手頃な価格で便利なリフターが市販されています。
電気配線がある場合は、ボードに穴を開けてケーブルを引っ張り出しておきます。
ケーブルの先には引っ掛けシーリングをつけて、ボードが全部貼り付いた後にビスで固定します。
当然、引っ掛けシーリングを固定する位置は、天井下地材(野縁)がある箇所ということになります。
ボードを下地からズレないように隙間なくきれいに貼るためには、最初の1枚目が大事です。
部屋の中央部から貼っていくと誤差が分散されて目立ちません。
まず、中央部の野縁を半分隠すように、コンパネなどから切り出した真っ直ぐな長い板を仮止めしておきます。
その板に添わせる様にして1枚目、2枚目のボードを隙間なく貼り、後は板をはずし、最初に貼ったボードにぴったりつけて貼れば隙間もなく、下地からズレることもありません。
ボード天井完成。
周囲に適当な角材で見切り材(回り縁)をつけておきます。
天井にダウンライトの取付け
ダウンライトを屋根裏側から見たところ。
このタイプの照明器具は、あらかじめあけた穴に照明器具を差込み、フックを下にスライドさせて天井板に挟み込むことで固定します。
天井埋め込みの照明(ダウンライト)をつけた部屋の様子
リビングと寝室の一部は吹き抜けとなり、勾配天井になっていて天井裏がなく、屋根タルキの下に天井材を直接打ち付けています。
勾配天井は部屋に変化を与え、山小屋的な雰囲気を醸し出し、私はとても気に入っています。
当然、12畳のロフトも勾配天井です(^^)v
天井点検口について
天井裏は人が歩き回れるほど高さと強度があるわけではないので、天井点検口があるからといって天井裏全体のメンテナンスは万全ではありません。
天井裏には配線や配管があるので、例えばコンセントを増設したいとか、新たにLANケーブルを配線したいときなど、何かのときに天井のどの場所でも取り外して点検や工事がしやすいように、うちでは、天井材を簡単に取り外し出来るような構造にしました。
氏家誠悟(seigo uziie)
2004年からこのサイトを運営している個人です。自分で家2棟、小屋2棟をセルフビルドしました。「自分でわが家を作る本。」の著者です。
自分で住処を作れるようになろう!
DIYで本格的な木造建物を作る方法を、動画で詳しく解説したDVDです。 私の作品です。
ご自分で家を建てるために、きっとお役にたつと思います。