窯業系サイディングの外壁を作る

DIYで外壁の施工に挑戦です。外壁材には金属系、窯業系サイディング、板張りなどいろいろな種類があります。
個人的好みからすれば板張りが好きなんですが、板張りの場合は塗装のメンテナンスの頻度が多くなりそうなことと、防火のことを考えて窯業系サイディングにしました。

サイディングと通気胴縁と透湿防水シート
私が選んだ外壁材は、一見すれば無垢の板に塗装したものに見えますが、実は窯業系サイディングに塗装を施したものです。
窯業系サイディングの一般的なサイズは、巾45センチ、長さ3メートルのものが多いのですが、重さが一枚当たり20キログラムほどあるため、自分ひとりで施工するのはちょっと荷が重いかな・・と思い、巾20センチ程度のものを使いました。これなら一枚の重さが8キログラムで、楽々施工可能です。
外壁の施工方法は、横張りのものであれば基本的に下地材の上に縦に胴縁を打ちつけ、その上に外壁材を釘留めしていけばいいだけなので、技術的にはそれほど難しいことではありませんでした。
ただし、家一軒分の外壁を一人で施工するのは相当の手間がかかります。 (^_^;
外壁サイディング施工手順
サイディングをカットするための専用の台をつくりました。
カットしようとするサイディング全体を載せるようにして、カットする位置は、丸ノコの刃以上の深さになるよう台を切り込んであります。
木材と違い、ねばりや柔軟性がないため、切断線の右側にもささえになる台がないと、切断の後半の方でサイディングが折れてしまうからです。
クロスカット(横切り)の際は、丸ノコがぶれないようにベースプレートを直線の板(治具)にあてて、板に添わせるようにカットします。
出窓など外壁の突起物の形状に合わせてサイディングをカットするため、丸ノコで切れないところはディスクグラインダーに切断砥石を取り付けてカット。

こんな変な形になることもしばしば
切断面は塗装がないため、シーラーを塗布して防水性を高めます。
サイディングは下から順に張っていきます。
うちは、洋風の感じにしたかったので、よろい張りといって、上の板が下の板に少し重なるタイプのものを選びました。
一番下のサイディングは、角度をつけるため、まずスペーサーになる板を取り付け、その上に張っていきます。
板の上端から20ミリ下がった位置で、専用の釘を打ちつけて固定します。 上下のサイディングは27ミリ重なっています。

よろい貼りにした板の上端しに、専用の金具を60cm間隔に差し込んでいきます。
金具には突起があり、この突起に上のサイディング板の溝をはめ込んで重ねていくという施工方法です。
透湿防水シートの上に胴縁を打ち、その上から外壁材を打ちつけます。
透湿防水シートと外壁材の間には、胴縁の厚さ分、つまり18ミリの隙間があくことになり、これが通気層となります。
夏に暖められた空気は通気層を通って上昇し、軒天のところから吹き出します。
土台水切りのところにも隙間があるため、新しい空気はそこから供給されるというわけです。

サイディングの端部には相欠き加工が施してあります。
合端のところで左右のサイディングがずれないように、端部には必ず専用金物を設置します。
出窓部分を張っているところです。
よろい貼りはもともと角度がついているため、出窓のように平面的にも角度のある場所では、端部を切るのに角度をつけなければならないので面倒です。

出窓にも屋根をつけてあげなければいけません。母屋と同じカラーベストコロニアルを貼って、母屋の壁との取り合い部分に、ルーフィングを立ち上げ、捨て板を貼ってコーキングしたところです。この後、専用金物で捨て板を覆い、さらにコーキングします。
出窓って、なにかと手間のかかるものですね。 手間がかかる分、施工費が高いのも分かる気がします。

仕事した後が目に見えて分かるため、外壁貼りは楽しくてやりがいがあります。
でも作業量は膨大! (^_^; オトコならやり遂げるのじゃー!!
東側の3分の2位できたところです。

根と壁の取り合い部分をよくするため幾重にも防水措置をします。
アスファルトルーフィングを20センチくらい立ち上げ、水切り金物をつけた上にさらに捨て板を張り、カラーベストコロニアルとの際にコーキングをして、金物で被うところです。

梁の端部が壁面のツラより外に出ているので、出ている部分を被うためにトタン板でカバーをつくりました。
(外が白で、内側が青のトタンです。)
これは、土台の出っ張りにカバーを取り付けているところです。
なお、家の出隅には、厚さ30ミリの板を打ち付けて、サイディングの止めにします。
後でこの板の上に、L字型の外壁材を取り付けます。
出隅には、サイディングと同質材のL字型外壁材を取り付けます。
端部が相欠きになっているので、上に継ぎ足していきます。
サイディング張りも、あともう少しです。 頂上直下?
頂上まで到達!
隙間をコーキング
外壁材と窓などとの隙間をコーキングして塞ぎます。
コーキングするために、はじめからわざと1cm程度隙間を開けています。
隙間の底の方には、コーキング材のバックアップとして専用の金属板をあらかじめ埋め込んでおきます。
(青く見えるのがそれです。)
マスキングテープを張っておきます。

この写真のものが、コーキング用のバックアップに使ったハットジョイナーです。
サイディングのカタログには、サイディング本体以外に必要な付属品の説明がありますが、そこに載っていました。
このハットジョイナーの突起部分が目地の巾であり、これは10ミリになっています。
青く見えるのは、はじめからシールが貼ってあり、ここはコーキング剤が接着しないようになっています。
(=ボンドブレーカーといいます。)
コーキング剤は、温度変化などでサイディングが伸び縮みしても、それに付随して弾力的に隙間を塞ぎ続けるよう、両側の2面にのみ接着し(=2面接着)、底の部分には接着させないようになっています。
もしも底にも接着してしまうと(=3面接着)、その部分が足枷になってうまく伸縮できず、ヒビが入るおそれがあるそうです。
壁材と同じ色のコーキング材です。 サイディングの購入時にいっしょに納品してもらいました。
隙間の幅にあわせて、先端部の適当なところを切って口を開け、コーキングガンにセットします。
コーキングを終えてマスキングテープをはがすと・・・
こういう感じに仕上がります。

外壁サイディングの施工完了 (^o^)