着脱可能なウェスタン扉を作る
前後どちらにも開く扉 しかも取り外し可能
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ウェスタン扉とは
ウェスタン扉とは、別名「スイングドア」ともいうらしく、手前側にも奥側にもどちらにも開く扉のことで、西部劇によく出てきますね。
ガンマンが酒場のウェスタン扉を開けて中に入ると、いかにもワルそうな輩と目が合い、バキュン!バキュンと撃ち合いが始まるアレです (^_^)
撃ち合いはしないけど(笑)、わが家の1階テラスにこれを取り付けました。もちろん自作。
ただ前後に開くだけでなく、不要なときは簡単に着脱できるように仕掛けも施しました。


普段は目隠しを兼ねて扉を設置しておきます。 隣の固定柵と同じ材質なので、はたから見ればウェスタン扉とは気が付かないかもしれません。
ここは屋根付きウッドデッキの1階部分なので、特に夏場はここでビールを飲んだり、来客があればここで遊んだり花火をしたりと、・・・そういうときは扉があると邪魔。
・・なので、出来るだけ簡単に着脱できる扉が欲しいと思いました。
このページでは、
1、ウェスタン扉を作るために必要な「自由蝶番」と、その入手、取り付け
2、扉を簡単に着脱できるようにする独自のアイデア
3、ラティスを自由なサイズに加工して組み立てる
・・ということについて書いています。
制作には自由蝶番を使う
ウェスタン扉を作るなら自由蝶番は必須
どこで手に入るかというと、今時は何でもネットで入手できる時代ですからね。 私はAmazonで買いました。
蝶番(丁番)というのは通常2個で1セットなわけですが、今回は2枚の扉を作るので2セット購入。
それぞれに適合する扉巾・高さや扉厚があるわけですが、蝶番を取り付ける柱や扉本体が、必ずしも適合サイズでない場合が多いと思います。
そのため、商品に同封されてくる取付け説明書にも書いてましたが、適合厚に合わせて補助板を用いると良いです。

蝶番の適合厚さに合わせた巾の補助板を用意し、柱や扉本体に抱かせ、そこに蝶番を取り付けるというわけですね。
今回使ったのはサイズが64ミリの蝶番でしたので、適合厚さは19ミリ。
自由蝶番は、内蔵されたバネの力で、開いた扉を元の位置に戻そうとするわけなんですが、バネの力はけっこう強い!
だから、バネが効いた状態での取付は困難です。
そのため、商品に付属してくる「調整棒」(金属の細い棒)を使って「調整ピン」というものを引き抜くと、バネが効かなくなるので、その状態で柱や扉にネジ留めします。
その後、調整棒で「締まり具合」を見極めながら調整ピンを元に戻すと完成・・という流れ
着脱可能にする仕掛け
蝶番を柱に直接固定してしまえば、着脱はもちろん出来なくなります。
そこで、蝶番を柱に取り付けるのではなく、「添え柱」に固定します。

『扉本体+自由蝶番+添え柱』が一体化してワンセット
これを柱に、簡単な方法で着脱できるようにすれば良いわけです。
さて、その「簡単な方法」とは・・・?
「穴に棒を挿し込む」という方法を使いました。原始的だけどけっこう有効です。(^^)v
自由蝶番のバネは強力なので、ヤワな構造では、扉が開閉するたびに添え柱がグラグラしてしまうことが予想されました。
そのため、「丸棒+穴」のセットをできるだけ広い巾で、左右2個設けることで解決します。巾が広いほどモーメントの関係で強くなるからね。
とはいっても巾には限界があり、今回は柱の巾いっぱいでパーツを作りました。
穴と棒を使った仕掛け作り

添え柱に取り付けるパーツは、直径8ミリの丸棒が1か所につき2本ついています。
一方、これを受ける「受け座」を柱に取り付け、丸棒を「受け座」の穴に挿し込むという仕掛けです。
丸棒と穴のサイズが同じだと入りません。・・・当然ですね。同じだと叩かないと入らない。
すんなり入るためには、穴のほうが2ミリ以上大きくないとダメ
なので、丸棒が8ミリ、穴が10ミリとしました。 それぞれ、位置は正確に出します。

添え柱の上下にこのパーツを取り付けますが、注意点としては上側の丸棒は短く、下側の丸棒はそれより長く・・・ということです。
上下とも長さが同じだと、扉をセットするときに非常にやりにくい!!
下の棒が長いと、まず先に下の棒を受け座の穴に少し入れ、その後、上の丸棒を挿し込むことができるので、やりやすいのです。

こんなふうにパーツが出来ました。
添え柱用のパーツは添え柱にビス留めし、受け座は、柱にビス留めします。
このセットが今回は4つ必要でした。
「東側上」、「東側下」、「西側上」、「西側下」です。
添え柱に、丸棒付きのパーツを固定したところ。
適当な間隔をおいて上下2個取り付けます。

塗装する前に、まずは実地でテストしてみます。 入れやすいか、緩すぎないか、キツ過ぎないか?
このときに「受け座」の位置も「現物合わせ」で決めます。

OKだったので、木材保護塗料で塗装
蝶番を付け、現地に取り付けました。
着脱可能なウェスタン扉の完成!
ラティスを加工する
市販のラティスは決まったサイズで組まれているので、今回のように現地に最適なサイズの扉をラティスで作ろうとするなら、市販のラティスを少し加工しないといけないですよね。
そこで、必要な長さ位置で、まずはラティスの格子部分をカットします。
このカットは、丸鋸では危険なので手鋸を使用。
外枠を一旦、取り外します。
こうして、スルスルと引き抜きます。
外枠だけ利用し、余分な格子部分は捨てます。
完全に引き抜いた状態
上下の外枠の、余分な長さをカットします。 これは「留め」、即ち45度でカットする必要あり。
外枠を元に戻し、ビス打ち固定して完成
ラティスは目隠し効果があるとはいっても、けっこう隙間が大きいので、近距離からだと目隠し効果はあんまり高くありませんね。
そのため、市販の天津スダレを取り付けると、けっこう安上がりに、感じの良い目隠しフェンスが出来ちゃいます。
雰囲気は、まあ好みの問題ですが、私としては割と気に入っているんです。

スダレは上下に竹の部材がついているので、ここからラティスへビス留め固定しました。
竹にビスをそのまま打つと簡単に割れるので、下穴は必須です。 さらに、ビスも「皿ネジ」だと竹が割れやすいので、「鍋ネジ」か「トラスネジ」を使います。

ウェスタン扉付きの、1階屋根付きウッドデッキ完成です。
うちは1階にも2階にもウッドデッキのテラスがあるので (どちらも屋根付き)、気分によって好きな場所で焼肉やらお好み焼きやらをして楽しんでおります(^^ゞ