間伐材丸太の搬出~水盛り・遣り方
スギの間伐材を使って3坪の木製物置小屋を手作りしました。
なんと! この小屋作りは、山から間伐材の杉丸太を運び出すところから始まっているのです。
小屋作りの主体は森林ボランティアグループの人たちです。健全な森林をつくるために自分たちがボランティアで間伐した木を柱や束などに使いつつ、材料のほとんどを地元のスギで作りました。
サイト管理人の私(=キリギリス)は、物置小屋の設計、材料の手配や作業のダンドリ、木材の墨付け刻み、建具など細かい部分の制作についてお手伝いさせていただきました。
丸太の伐採・搬出
天高くそびえるスギの木
混みあっているところを間引きしてやることを間伐といいます。
健康な良い森林をつくるには欠かせない作業です。
伐る木にマーキングして、チェンソーで伐採
運び出し
今回の物置小屋作りに使うのは、柱にする9本だけです。
この後、地元の森林組合の製材工場で製材、人工乾燥をしてもらいました。
水盛り・遣り方
11月12日、いよいよ現場の作業がはじまりました。
まずは建物の位置を決める縄張りから。
メジャーを2個使って寸法を出します。
この物置小屋は2間×1.5間(3640×2730)の大きさなので、まずは3640mmの長さを図って両端に杭を打ち、それぞれの杭から
① 2730mm
② 4550mm
の距離を出し、その交点に杭を打ちます。
ちなみに②の4550mmというのは、三角形の斜辺の長さ、即ち 3640の2乗+2730の2乗の平方根です。
このあたりのことについてはこのページに詳しく説明しています。
⇒ 縄張り・水盛り・遣り方の作り方
あとで水糸を張って正確な寸法を出すので、この段階ではアバウトでもいいのです。
縄張りで打った杭の周囲に、さらに、遣り方をつくるための杭を打ちまわします。
それぞれの杭に、バケツの水を透明ホースを使って水平の印をつけていきます。
杭につけた水平印を基準にして、基礎ブロック天端高さの位置に、遣り方の板を打ち付けていきます。
この板の上の基準線の位置に釘を打って、水糸を張ります。
【参考ページ】
⇒ 水糸の張り方
基礎ベース型枠と鉄筋の配置
今回のベースコンクリートの巾は30cm。
型枠設置分の余裕を見て、巾40cmで溝を掘ることにします。
掘る位置が分かるように地面に石灰やスプレーペンキでマーキングしておくと便利。
掘りながら時々T字型の定規を水糸に当てて、深さと巾をチェック。
この場所はもともと駐車場だったところなので、砂利を含んだ良質の地盤です。あえて砕石は敷く必要はないでしょう。
地面を掘っただけではどうしても表面が凸凹してしまうので、砂を敷いて平らに調整し、水を撒いて砂を締めました。
現場で作業が手際よく進むように、あらかじめ「型枠キット(?)」を作っておきました。
ベース型枠用に板に、セパレータの穴を開けておき、所定の長さに切って用意しておいたのです。
これに、現場でセパレータをセットして組み立て、鉄筋をのせて結束線で固定すれば、アッという間にベース型枠の出来上がり!
使用した材料(水盛り・遣り方、型枠工事)
1、木杭
3~5cm角くらいの太さの木材なら何でもOK
今回は2×4材を半割りしたものや、端材を集めて杭にしました。
角材の先端に、丸ノコで4方向から斜めに切り落とすと杭を作れます。ホームセンターで杭として売られているものを買うよりずっと安価。
2、型枠材+遣り方の板
今回は 18×105×3640 の板(一般に「貫」(ぬき)と呼ばれている材料)を使いました。
貫板の価格は、製材所から買うと2間(3m64cm)のものが1本350円ほど。
3、丸セパ
型枠材どおしの巾を固定するのに使うセパレータです。太さ8ミリで、長さ300ミリのC型というタイプ。
丸セパの価格は、300ミリタイプは1本28円ほど。
4、鉄筋
木造住宅の基礎では、主たる鉄筋は普通は13ミリを使いますが、今回は荷重の小さい、規模の小さな小屋なので、10ミリのを2本並べて使いました。
鉄筋の価格は、10ミリの異形棒鋼(D10)の4mのものが1本160円ほど。
5、川砂
ベースコンクリートの地業、兼水平調整用。
単価は1りゅーべ当たり6000円でした。今回はモルタルづくり用と合わせて0.5リューベ使用で3000円。
ホームセンターから袋入りを買うより、砂利屋さんからダンプで買うほうが断然安価。
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氏家誠悟(seigo uziie)
2004年からこのサイトを運営している個人です。自分で家2棟、小屋2棟をセルフビルドしました。「自分でわが家を作る本。」の著者です。