建て方作業(棟上げ)
スギの間伐材を使って3坪の木製物置小屋を手作りしました。
今日は建て方(=棟上げ)作業の日
軸組み構造のセルフビルドでは、一番面白い工程ですよ。 一日で屋根下地材を葺くまでやっちゃいます!
棟上げ作業の流れ
- 土台にアンカーボルトの位置を写して、ドリルで穴をあける。
- 基礎の天端に防水紙を敷く。
- 土台を組み、基礎の上に据え付ける。
- 柱を立て、梁・桁を組む。
- 下げ振りを使って柱の垂直を調整し、仮筋交いで固定する。
- 束を立て、母屋・棟木を組む。(棟上げ)
- 垂木を打ち付ける。
- 野地板を貼る。(今回はスギ板と合板の2層貼り)
- アスファルトルーフィングを貼る。
- めでたく記念写真を撮る (^^ゞ
なんと! 総勢10名も集合したので(ほとんどが素人だけど・・)午前9時にはじめて、午後2時半には終わっちゃいました (^o^)
好天に恵まれて楽しい一日でした。
土台の据え付け
土台の据付前にアンカーボルトの位置を現物合わせで土台に写しているところです。
基礎天端に土台外側のラインを墨打ちし、土台を置いてアンカ-ボルトの位置を印します。
アンカーボルトは必ずしも基礎のピッタリ中央に立っているわけではないので、左右のブレも写さなければなりません。
その際、土台自体が反れていることもあるので、材料の端からの距離ではなく、中心線からいくらズレているか測って、写し取ると正確。
土台の下面だけはあらかじめ防腐剤を塗っておきます。 据え付けてしまうと塗れないですもんね。
アンカ-ボルトの位置へ、15ミリのロングビットで穴をあけています。
ドリルで真っ直ぐに穴をあけるのは難しいことなので、材料の下面からあければ、少なくともアンカーボルトはズレることなく土台に刺さります。
だから下面からあけるんですが、今回は、正確を期して上下両側から半分づつあけました。 これが一番確実。
人手がいたので、正面と真横から、ビットが真っ直ぐになっているかどうか見てもらえるので楽でした。
基礎の上に防水紙(この場合はアスファルトルーフィングの切れ端を使いました。)を敷いています。
コンクリートやブロックは吸水性があるので、土台の木材が常に接していると腐朽が早く進むので、水分を遮断します。
ホントは基礎パッキンを使って通気を良くすればいいのですが、小屋にそこまでするのもなぁ・・・ということでこの方法です。
土台のホゾを挿し入れて掛矢で叩いて組んでいるところです。
両端から同時に叩いています。 思い切り叩かずに、手加減してゆっくり、ゆっくり・・・
組み上げた土台をみんなで持ち上げて、アンカーボルトを穴に通すのですが、基礎の上に角材の切れ端を並べて、その上に一旦乗せるような感じで置いておきます。
アンカ-ボルトがうまく入らない箇所は、横からアンカーボルトをコンコン叩いてやるとスッポリ入ります。
全部のアンカーボルトの先端が穴に入ったことを確認して、一斉に角材の切れ端を抜き去ると・・・・
土台が静かに落下してうまくおさまりました。
パチパチパチ・・(自然にでてくる拍手)
柱立て
土台のコーナー部の仕口は「えり輪小根ホゾ挿し」というものですが、組んだ後にクサビを打って固めます。
この段階では材料を長いまま使って、掛矢で叩いたときやクサビを打ったときに端っこが割れたりしないようにしておいて、外壁を貼る前に出っ張り部分を切り落とすことにしました。
柱のホゾをを土台のホゾ穴に挿し込んで、細かくユサユサ揺らしながら挿し込みます。
柱上部のホゾに梁を掛け渡し、掛矢で叩いておさめているところです。
ホゾの先端は2段になっていて、梁と直交する桁に、先端のホゾが挿し込まれます。
梁・桁まで終わったところで柱の垂直を調整し、仮筋交いを打ちます。
柱の垂直を調整する手順
- 隅の柱に「ピーキャッチ」という名の下げ振りをセット
- すぐ上の桁に、仮筋交いの板を釘1本で仮止め
- 仮筋交いを左右に動かしたり、柱を押したりして垂直を調整
- 下げ振りの糸と柱との間隔が、上下とも同じになったとき、下げ振り下部にいる人が合図する。
- 合図と同時に、仮筋交いの下部を土台に釘打ち固定
- 仮筋交いを桁や土台、途中の柱にも釘を打って完全に固定。(ただし、後で楽にはずせるように、釘頭を出しておく。)
- これを、X方向、Y方向ともにやる。
母屋・桁・垂木・野地板など
仮筋交いを全部打ち終えたら、梁の上に束を立てていきます。
束の上に母屋(もや)と棟木をのせて・・・
垂木(たるき)を固定して野地板を貼っていきます。
垂木は余分な長さをつけたまま固定して、後で長さを切りそろえるのが普通なんですが、今回は手際よく進めるため、はじめから長さを切りそろえたのはもちろん、母屋に4寸釘を打つ位置にも、刻み段階であらかじめ下穴をあけておきました。
キットみたいな感じ。(^^)v
写真は野地板を下から見上げた様子。
15ミリ厚のスギ板の上に、9ミリ厚の構造用合板を貼って、計24ミリ厚としました。
屋根仕上げに使うアスファルトシングルの専用釘が24ミリなので、釘の先端が天井から出るのを避けるためです。
もちろん野地板も、現場でカットすることなく、あらかじめ切りそろえておきました。
継ぎ手が一直線にならないように、2枚一組のと3枚一組のが交互に来るように、下から順に貼り上げていきました。
丸太柱
ボランティアグループの会長さんが、自ら丸太柱にチェンソーで背割りを入れました。
丸太柱の下部は、沓石の羽子板にボルトで固定
沓石自体が転ぶとマズイので、沓石はベースコンクリートにめり込ませています。
アスファルトルーフィング
野地板の上にアスファルトルーフィングを貼っています。
仕上げの屋根材がなくても、ルーフィングを貼っておけば、当面、雨が降っても心配ないので、棟上げの日のうちにこれだけはやってしまいます。
屋根勾配は3寸なので、屋根上での作業は恐怖感がなく楽でした。
ルーフィングは緑色の方を上にして、横貼りします。 巾が1mですが、下のルーフィングの上に10cmほど重ねて貼っていきます。
重ね目安のラインが表示されています。 固定はタッカーで、1尺5寸程度の間隔で打っていきます。
貼った後、ルーフィングが風で吹っ飛ばないように、両端(ケラバの部分)だけ、板を被せて釘で仮固定しておきました。
出来た!
午後2時半には終了。
皆で記念写真を撮りました。充実した一日だったなぁ~
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氏家誠悟(seigo uziie)
2004年からこのサイトを運営している個人です。自分で家2棟、小屋2棟をセルフビルドしました。「自分でわが家を作る本。」の著者です。