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これで木工の効率が爆上がり!

ビスケットジョイントのやり方を詳しく解説します
ジョイントカッターの使い方

ビスケットジョイント
最終更新日 2024年1月9日

ブナの圧縮材の『ビスケット』と呼ばれる専用のチップを、双方の木材どうしに埋め込んで接合する方法をビスケットジョイントといいます。

木材の接合方法としてはとても便利で、応用範囲も広いです。家具作りにはとても重宝しますよ。♪

このページではビスケットジョイントの仕組みや方法、専用工具であるジョイントカッターの使い方などを詳しくご紹介します。

書いた人 ・ 運営者

氏家誠悟(seigo uziie)
2004年からこのサイトを運営している個人です。自分で家2棟、小屋2棟をセルフビルドしました。「自分でわが家を作る本。」の著者です。


ビスケットジョイントのメリット・デメリット

メリット

ビスケットジョイントを使うメリットは次のとおり

  1. 正確な位置合わせで組立できる。 ビスケットが位置の「ガイド」の役割を果たすので、組立の際に「ズレてしまった!」という失敗がほとんどない。
  2. 何枚かの板を接着して机やテーブルの天板を作っても、板どおしの段差がほとんど出ない。
  3. ビス留めのように外面にビスやダボが見えない。 スッキリしている。
  4. 「ほぞ組」よりはるかに簡単に、「ほぞ組」に近い強度の接合ができる。


強固に接合できる仕組み


ビスケットは圧縮された木材(ブナ)なので、水分を含むと膨張します。

ジョイントカッターで掘る溝の巾は4mm丁度。

これに対して、 乾燥しているときのビスケットの厚さは3.8~3.9mm程度なので、指でギュッと押す程度で溝に入れることが出来ます。

これがボンドの水分を吸って膨らみ4mm以上になろうとするため、しっかりと食いつき、ボンドの接着力も満度に発揮され強固な接合になるという仕組みです。

乾燥時のビスケットチップの厚さをノギスで測定 一昼夜水に漬けたビスケットチップの厚さをノギスで測定

試しにビスケットを一昼夜水に漬けてみたら、厚さが4,6mmにまで膨らんでいました。

実際にはボンドの水分だけではこんなに膨らまないとは思いますが、4mm以上には十分なると思われます。

ビスケットジョイントのデメリット


ビスケットが入る溝を掘るには専用の工具「ジョイントカッター」が必要ですが、これはそれしか出来ない工具であるにもかかわらず価格が3万円以上もするんです。

しかし、だからといって諦める必要はありません。

じつはトリマーでもビスケットジョイントができる!

トリマー用ビスケットジョイントセット
引用 : オフの店HP


ジョイントカッターは高いので、使う頻度が少ないなら購入するのは勿体ない感じがしますね。(^_^;

でも、ルーターやトリマーをすでに持っているなら、専用のビットを取り付けることでジョイントカッターのようにビスケット用の溝を掘ることができるのです。

付属のベアリングを交換することで、#0、#10、#20にそれぞれ対応します。

もちろん専用のジョイントカッターに比べると、ひと手間増えたり、T字型の接合はできなかったりと、若干不便なところはあるわけだけど、ビット自体は4千円程度なので、3万円以上するジョイントカッターを購入するより大分得した気分になれるかも?

上記の専用のビットはこちらの店で販売しています。 使い方を説明した詳しい動画もあるのでよく理解できます。

⇒ オフの店  ビスケットジョイントセット


さらにリーズナブルなカッターもあります。

ただし#10ビスケット専用。 #0や#20には対応していません。↓↓

ビスケットカッター 4mm厚

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では実際に何か作ってみましょう (^o^)┘

ビスケットジョイントで作った作品、椅子型フラワースタンド

これは椅子の形をしたフラワースタンドです。
前脚、後脚、幕板、背板の各接合はすべてビスケットジョイントで作っています。

この程度のものなら強度的にもビスケットで十分。
最初の設計さえきちんとしていれば、作るのもアッという間です。

ビスケットジョイントの良いところは、ビス留めと違ってビス頭が見えないし、後からダボで隠したりする手間も要らないので、作品の見た目がスッキリしているし、ペイント塗装も楽です。

ジョイントカッターで溝掘り

各パーツを所定の寸法でカットしたら、ジョイントカッターで各パーツにビスケット溝を掘り込みます。

各パーツに掘られた溝
こんなふうに溝が掘れます。


溝の中にボンドを挿入
まず溝の中に接着剤を入れて、


ビスケットにボンドを塗る
ビスケット側にも接着剤を塗ります。

指で塗るのも簡単でいいですが、接着剤が他の物に着くことがあるので、筆を使うのがお勧め。

溝の中に接着剤を入れるのでビスケット本体には塗らなくても良い・・・という考え方もあるけど、私は両方とも塗っています。

このことについては、下の方で少し詳しく説明しています。

ビスケットを溝の中に押し込む

ビスケットを挿入し、指で押し込みます。 すると縦方向に接着剤が押し出されてきます。

はみ出たボンドを筆でビスケットに塗る

はみ出た接着剤も含め、ビスケット表面に塗りたくります。

受け側のパーツの溝にボンドを塗る

受け側のパーツの溝にも接着剤を入れます。

パーツどうしを嵌め合わせる

パーツどうしを嵌め合わせ押し込み、はみ出た接着剤は濡らした布でふき取っておきます。

作品をクランプで圧着する

クランプなどを使って圧着します。
※ ホゾ組を使った普通の家具作りと全く同じです。

完成したフワラースタンド

塗装して完成です。 白い椅子型フラワースタンドができました。(^^)v

ビスケットは全部で10枚使いました。

ちなみに座板と幕板の接合はビスですが、幕板側から打ち込んでいるため、この椅子はビス頭が全く見えません。

こんなふうに、ビスケットジョイントを使うと、速く正確にきれいにモノ作りができて重宝しますよ~(^^)

ジョイントカッターの使い方と手順


では、ジョイントカッターの使い方を、順を追って書いてみますね。
ジョイントカッターとはこんな工具です。↓

マキタのジョイントカッター3901の全体像と各部の名称

これは私の愛用品。 マキタのジョイントカッタ モデル3901です。
最新モデルである PJ7000 のひとつ前のモデルですが、使い方は基本同じなので、これで解説しましょう。

※ ちなみに名称は『ジョイントカッター』のほかに『プレートジョイナー』、『ビスケットジョイナー』など、メーカーによっても違ったりしますが、内容的には同じです。

使う前の準備

1、ビスケットのサイズを選ぶ

ビスケットチップの各サイズ(#0 #10 #20)の画像と、寸法の表示

ビスケットは、正確には「ビスケットチップ」というのだそうですが、#0、#10、#20という規格サイズがあるので、作るものによってどれにするか選びます。

#20が一番大きいので接着面積も大きく、強度的に一番強いのは当然なので、特に問題なければ#20を選べば良いでしょう。

しかし#20を入れるための溝を掘ると、溝の長さは66mmほどになります。パーツの端部にビスケットを入れるような場合、パーツの板巾が66mm以下であれば溝がはみ出ることになりますね。

また、#20の溝穴の深さは12.3mmなので、板厚12mmの板には使えません。溝が貫通しちゃう。(・・;)

そういうことを考え、丁度いいサイズを選ぶと良いでしょう。各ビスケットのサイズと、それらを入れる溝の長さ・深さは以下のとおりです。 (単位はミリ)

※ ビスケットの種類は上記の他に、もっと小さなFFサイズというのもありますが、これが使えるのはアメリカのポーターケーブル社製のカッターだけになります。私が持っているマキタのジョイントカッターでは対応していません。

2、切り込み深さをチェックする

切り込み深さを調整するダイヤルストッパーと調整ネジ

これはジョイントカッターの購入時に1回と、あとは年に1回程度やれば良い話なんですが、溝の切り込み深さをチェックしておいたほうが良いです。浅すぎても深すぎてもうまくいかないので・・・

ジョイントカッターで溝を掘る際、本体を押し付けると「切り込み調整ネジ」の先端が「ストッパー」に当たったところで止まるようになっており、ストッパーはダイヤル式になっていて、ビスケットのサイズによって山の高さが違います。

これで所定の深さに溝掘りできる仕組みになっているので、深さは調整可能。
逆にいえば、狂うこともあるわけです。なので時々チェックしておくと良いでしょう。

溝を掘ったらノギスで実測してみて、上の表と違うようなら、切り込み調整ネジを回して調整しておきます。

#0、#10、#20 をすべてやる必要はなく、どれかひとつで調整すれば自動的に全部そろいます。

テーブル天板作りはこの方法!(板厚の中心に溝を掘る場合)

テーブル天板の板剥ぎ作業にビスケットを使用している状況

テーブルの天板を作るときなど、板を巾方向に接ぐ場合(「板剥ぎ」とか「巾剥ぎ」と呼ばれます。)はこのやり方です。

無垢材だとどうしても巾に限りがあるので、広い面の天板を作るには巾方向に接がなくちゃならないわけですが、これにはビスケットジョイントがとても重宝しますよ。

例として、巾20㎝、厚さ18mmの板を3枚接いで、60cm×1mの天板を作る場合の手順はこうなります。

1、各板に、ビスケットを入れる位置を墨付けする

天板を構成する各板とビスケットの配置の模式図

天板の完成サイズが長さ1mなので、それより若干長い板を用意します。イラストでは1,050mmとなっていますがその辺はテキトーです。

剥ぎ合わせのときに両端部を完璧にピタッ!と揃えて接着するのは不可能なので、接着した後から端部をカットするのが良いです。そのために、材料は長さに余裕をもっておくわけですね。

ビスケットを入れる位置は、両端部の近くと、中間に適当な間隔で何か所か設ければいいです。

この天板作りでは、小さなビスケットにする理由は何もないので、一番大きな#20を使います。

#20の溝巾は66mmほどあるので、中心線から片側33mm。

板の端部まで溝が来てはいけないので、少し余裕をみて、中心線は設計端部から50mmのところにしましょう。

中間部は最低1か所必要だけど、それだと間隔が開き過ぎる感じなので、2か所入れるとして、300mm間隔にしてみます。( もっと多くてもいいけど手間が増えます。)

このようにして配置プランを決めたら、実際の板の上に、ビスケットが入る中心線を墨付けします。

後からカットする端部のラインも合わせて墨付けしておきます。上のイラストでは青い点線がそれです。

2、アングルガイドの高さを調整する

アングルガイドの高さを調整

固定用レバーを下げ、調整ツマミを回すと、アングルガイドを上下にスライドできます。

スケール目盛に、目的の数値を合わせてたら固定用レバーを上げて固定します。これでセット完了。

板を接ぐ場合、厚さの中心にビスケットを入れるのが自然なので、例えば厚さ18mmの板なら、9mmの位置にセットすればいいですね。

スケール目盛の9mmに合わせてアングルガイドを固定した

9mmに合わせるということは、アングルガイドからカッター刃の厚みの中心までが9mmということ。

これで、厚さ18mmの板の厚みの中心にビスケット溝を掘ることができます。

3、墨線とジョイントカッターの中心線を合わせて押し込むだけで完了!

ジョイントカッターの中心線と材料の墨線を合わせ、ジョイントカッターを押し込む

溝掘りの作業自体はとても簡単で、ジョイントカッターの中心線を材料の墨線に合わせて押し込むだけ。

このとき大事なのは、アングルガイドが材料にしっかり密着していることです。
これ、しっかりやっているつもりでも、実際にはわずかに浮いてしまうことが良くあるんですよ~


そうなると当然、材料の表面から溝までの距離にバラツキが出てしまうわけで、結果、天板の板どおしに目違い(段差)ができてしまいます。

なので、私はいつもアングルガイドに手を添えて、しっかり密着していることを確認しながらやるようにしています。

説明書には、グリップと本体を握って押し込むようにイラストが載っているけど、実際にはアングルガイドを押えながら本体を握って押し込むほうが経験的に失敗が少ないです。

板厚の中心でなくとも良い場合はこの方法

アングルガイドを外した状態 フェンスを90度倒した状態

アングルガイドを取り外し、フェンスを90度倒すと、これがアングルガイドの替りになります。

ただしこの場合はフェンスと掘り込み中心までの距離は10mmで固定されているので、板の基準面から常に10mm下がった位置に溝が掘られることになります。

セットプレートを取り付けた状態

この機種には厚さ4mmのセットプレートというものが付属していて、セットプレートをフェンスに取り付けると、溝掘り位置はフェンスから掘り込み中心線までの距離が6mmになります。

薄板に加工するときは便利。

4、接着・圧着

ポニークランプによるテーブル天板の板剥ぎ(圧着)

あとは板の木端とビスケットに接着剤を塗布して圧着し、接着剤が硬化すれば出来上がり。

上の画像ではポニークランプを使っています。

ハタガネよりはるかに強力&頑丈で、天板の巾矧ぎには最適なクランプです。

圧着する際に天板が一方向にそらないよう、クランプは上下を交互にして掛け合わせます。

ビスケットジョイントだと板どおしの段差がほとんど出ないため、接着剤硬化後に鉋で目違い払いする必要もないことが多く、これは大きなメリットですよ。(^^)v

ポニークランプ

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実際の天板作りの例(画像付き)



箱作りに便利なマイタージョイントも出来る

マイタージョイントの模式図

45度に斜めカットした板を組めば、木口が見えないスッキリした箱を作れますね。
このとき、板の合わせ目にビスケットを仕込めば、しっかりとした接合ができるわけです。

斜め45度でジョイントカッターを押し込む マイタージョイント用の溝が掘れた

フェンスの角度を45度にセットすれば、板の切断面に溝を掘り込むことができます。

溝掘り位置は細かく調整することができないのが少し難点ですが、前述のセットプレートを使えば、比較的薄い板にも対応可能です。

ちなみに、フェンスは、0度、45度、90度のときに小さな穴にはまって「カチッ!」と止まる仕組みになっているので、セットは正確&スピーディー

棚作りはこの方法!(板の表面に溝を掘る場合)

側板に、棚板を受けるビスケット溝を掘った状態

本棚などをビスケットジョイントで作る場合、棚板のほうは木口に溝を掘ればいいけど、側板のほうは表面に溝を掘ることになりますね。

この場合、アングルガイドを外した状態でジョイントカッターを立てて加工します。

1、側板に、ビスケットの位置を墨付け

ビスケットが入る中心位置を墨付け

棚板が取り付く高さ方向の墨線を引いた後、ビスケットが入る中心位置を墨付けしていきます。

ちなみに、側板、棚板ともに、基準面から同じ距離で墨付けするわけですが、うっかりミスを防ぐためにも「目盛を読んで墨付け」という方法ではなく、この画像のようなストッパー付き直尺を使うと便利ですよ。

これ、私の愛用品です。ケビキのように材に傷をつけることもなくとても使い勝手が良いのです。

ストッパー付き直尺 30cm

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2、角材などを仮固定し、ジョイントカッターで溝掘り

角材をフェンス替わりにして、ジョイントカッターを立てて使う

真っ直ぐな角材などをフェンス替わりにして、ジョイントカッターを立てて使うことで、板の表面に溝を掘ることができます。

この場合、ビスケット溝の中心線からフェンスまでの距離は10mm。

なので、フェンスは溝中心線から10mm離した位置に仮固定するんですが、いちいちこれを測ってやるのも面倒な気がしますね。

自作治具を利用する


ちなみに私の場合は、直角定規も兼ねたこのような自作治具を使うことが多いです。↓

自作の直角ガイド治具を使用している状況


自作の直角ガイド治具の詳細

丸鋸の直角切り定規と同じようなもので、手で押える「柄」の部分と、直角に交差した「フェンス」の部分からなっています。

柄の部分に引かれた目印がフェンスと丁度10mm離れているため、ビスケット溝中心線の墨付けラインに柄の目印を合わせ、ジョイントカッターをフェンスに当てて加工すれば、うまく墨線の上に溝が掘られる仕組みです。
スピーディーに加工できるので便利♪

棚板と側板を重ねて加工する方法もあるヨ♪

側板と棚板を重ねて加工する方法。棚板に溝掘り

側板の上に棚板を重ねて仮固定します。 もちろん基準面は完全に揃えます。

この状態で、棚板の木口にジョイントカッターで溝加工します。

側板と棚板を重ねて加工する方法。側板に溝掘り

次にジョイントカッターを立てて、墨線に合わせ、側板に溝掘りします。

このとき、棚板がフェンスの役割りを果たしてくれます。あとはこの繰り返しで、すべての墨線でこの加工をします。

当然ながら、棚板の固定位置は、側板のビスケット中心線より10mmズラした位置になるわけです。

棚板と側板の基準面がキチッと揃っていることと、棚板の直角がキチンと出ていることが絶対条件ですが、これさえ守られれば合理的な方法ですよね。

接着剤はビスケット側にも付けるべきか?


ビスケットジョイントのときの接着剤の塗り方については、人によって意見が2つに分かれてるみたいですね。

接着剤は溝の中だけで良い!
×
ビスケット側にも両方塗るべき!


さてどっちが正しいのでしょう?

こういうときは実験してみるのが一番! で、以下のように比べてみましたよ。↓↓

溝の中だけと、溝+ビスケットの両方にボンドを塗った実験材料

#20のビスケットを用いて、接着剤を片方は溝の中だけ、もう一方は溝の中とビスケットの両方ともに、それぞれ塗ってみます。

ビスケットを挿入する

溝にはめ込みました。

この後、ペンチでつかんでビスケットを引き抜き、接着剤の付き具合を比べてみます。

溝の中だけにボンドを塗った方のビスケットを引き抜いてみたときの、ボンドの付着状況

こちらは溝の中だけに接着剤を付けてはめこんだビスケット。
まあ、こんな感じです。

思ったよりは接着剤が表面に行き渡っているように思います。おそらく、ビスケットの表面に刻まれている微細な格子状の溝が接着剤の通り道になっているのでしょう。うまく考えられていると思います。

両方にボンドを塗った方のビスケットを引き抜いてみたときの、ボンドの付着状況

こちらは溝の中とビスケットに両方に接着剤を付けてはめ込んだもの。


さあ、両者を比べてどのように感じるでしょうか?

あんまり違いはないようにも思いますが、後者のほうが接着剤の総量が多いためか、ビスケットへの付着量も若干多い感じはしますね。

ただ両者とも、中央と両端には接着剤がうまく付着しているけど、その中間付近はあまり付いてない部分がありますね。

これには私もちょっと納得しがたかったので、同じ実験をあと2回やってみましたが、結果は同じでした。



この結果から、

私なりに出した結論

(1) 接着剤を溝の中だけに付けた場合でも、それなりに接着剤はビスケット表面に行き渡っているので、接着効果はでていると思われる。

(2) 接着剤は多ければ多いほど良いというものではないが、ビスケットは接着剤の水分を吸って膨張することで密着力が増すので、両方に付けた場合のほうが接着剤の付き具合が若干多いことから、その点は有利なのではないか。

(3) よって、強度的な良し悪しは、さほど大きな差ではなく両方塗ったほうが若干有利かな? という程度に考える。

(4) 組立の際、ビスケット側にも接着剤を塗るのはけっこう手間と時間がかかるので、

◆ さほど強度は問題なく、ビスケットの個数多いような作品のときは、溝の中だけで十分。

◆ 強度を重要視するような作品のときは、少しでも強度アップを目指し、両方に塗る。


・・・という方針が良いのではないかと考えます。 (個人的見解です)

ビスケットはこんなところに使えます


私が作ったものの中からいくつかご紹介します。

机やテーブルの天板作りに

学習机 天板のビスケットの位置の模式図

机やテーブルの天板は巾が広いので、何枚かの板を巾方向にくっつけて作るのが一般的なんですが、これはビスケットジョイントも最も得意とするところ。

板どおしを単に接着剤だけで接合する方法(=俗に「イモ接ぎ」といいます。)でもいいけど、ビスケットを併用すると強度が格段に上がるだけでなく、接合面に目違い(=段差)ができないため、その後の処理がとても楽になるのです。 (^^)v

棚作りに

三段の棚 棚のビスケットの位置の模式図

このような棚の、側板と棚板をくっつけるときもビスケットが使えます。
側板から釘やビスを打つ必要がないため、見た目がスッキリ♪

その他さまざまな木材接合に

パイン材のキャビネット 扉のビスケットの位置の模式図

木製キャビネットの接合にビスケットを使った例です。

額縁型フラワースタンド 額縁のビスケットの位置の模式図

額縁型フラワースタンドの額縁組立に使った例です。
斜め45度にカットした木口どおしの接合にビスケットを仕込んでいます。

【 参考 】⇒ 額縁フラワースタンドの作り方


ビスケットジョイントは便利だけど、常に大きな力がかかる場所・・・例えば人が座る椅子の脚と幕板の接合部などには止めておいたほうが無難でしょう。

そういうところはホゾ組みとか、別の方法を考えることにして、それ以外のあらゆるところ、例えば引き出しなどの箱作り、階段の踏板と蹴込み板の接合など、かなり応用範囲は広いです。

市販のジョイントカッターの種類


前にも書いたけど、メーカーによって名称が違い、『プレートジョイナー』 とか 『ビスケットジョイナー』 とも呼ばれることがありますが、内容的には同じです。

私が愛用しているのはマキタの商品です。

どの商品が良いかと問われても他のメーカーのは使ったことがないので比較はできませんが、なぜマキタを選んだかというと、やはり何と言っても日本製なのでアフターケアが安心なところですね~

マキタの営業所が国内各地にあるので(私の地元、盛岡にもあります。)、修理なども安心だし、日本製なので寸法単位はミリ表記、もちろん説明書は日本語。
「国際人」とはほど遠い私には優しいです。(^_^;

マキタジョイントカッタPJ7000

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このページで説明したマキタジョイントカッタ3901 の後継機です。
現在、ネット販売されているのは平行輸入品がほとんどのようです。

平行輸入品なのでインチ表記。説明書は英語とのことですが、日本語説明書はダウンロードできるようです。
刃物の径が外国仕様なようなので注意です。国内正規品の刃を別途購入して交換はできるとのことです。

以下、Amazonレビューの一部をご紹介↓↓





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コードレスもあるんです。

マキタの同じ電圧の電動工具を持っているなら、バッテリーを共有して使えるのでコストパフォーマンスが良いかもしれませんね。

電圧は 14.4V と 18V の2つの機種があります。 お持ちの電動工具と合わせると良いでしょう。

PORTER CABLE 557 デラックス プレートジョイナーキット

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極小サイズのFFビスケットを使える(ただし替刃が必要)のがこれ。

小さな額縁などをたくさん作る人には重宝すると思います。
アメリカ製です。

ビスケットは当然必要 #0、#10、#20

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