割ぐり・砕石など、基礎の根切りと地業工事
根切り
根切りって、別に木の根を切ることじゃなくて溝掘りすることです。穴掘りです。
どこまで掘ればいいかというと、基礎の底にグリ石や砕石を敷くわけだからその底のラインまで掘ればいいや・・・・と思いそうですが、この図の赤い線のように、石を並べる予定線より数センチ浅くしておきます。
あとでグリ石や砕石を転圧すると石が地面に少しめり込むからです。
勢い余って深く掘り過ぎて、あとから土で埋め戻すのはマズイです。埋め戻す土は軟らかいですから。
だから、板の端材でこういう定規をつくって、水糸にマークを合わせながら、掘り過ぎないように確かめながら掘るといいです。

深さと巾、確認用の定規

根切りが終わった様子
(我が家の工房建築)

地業工事
根切りが終わったら、石を敷き詰めて締め固める地業(じぎょう)工事です。
どんな石を使うかについては地盤の種類によって違うとのことで、
「木造住宅工事共通仕様書(解説付き)」(住宅金融公庫監修、財団法人住宅金融普及協会発行)によると
割栗地業は次による。ただし、地盤が比較的良好な場合は、割栗によらず砕石による地業とすることができる。
・・・とされています。
じゃあ、比較的良好な場合って何よ?
木造建築の布基礎や独立基礎には必ず割ぐり地業を施すものと思われているが、地業の土質が砂礫土や砂質土の場合には最適な地業と言える。
しかし粘性土の場合には割ぐり地業によって突き固めるのは、良い方法ではない。
粘土ではあるが比較的硬質な地盤(関東地方の良質なローム層などの場合)では、割ぐり地業の代りに根切り底に切り込み砂利を6~10cmの厚さに敷きこんで突き固める。これを砂利地業という。
粘性土などの場合では、割ぐり石や砂利を用いて突き固めると、かえって土をかく乱させて強度を低下させることになる。このような地盤では、粗砂をきれいに敷き均す程度の方がよい。(砂地業)
・・・とされています。
地盤の状態によって様々なんですねぇ。

割ぐり石は原則として一層小端立てとし、すき間のないようにはり込み、目つぶし砂利を充填する。
目つぶし砂利は切り込み砂利、切り込み砕石または再生砕石とする。
・・・とありますが、


割ぐり石は、砂利屋さんに注文するとダンプで運んでくれます。写真のは、これで0.75りゅーべ。2750円でした。
一層小端立てにするということは
上から転圧すると割ぐり石が地盤に突き刺さって少しめり込むように、縦に置きます。
横に置いたんじゃ、上から転圧かけても地盤に突き刺さらないですからね。
だから、溝の中にザーッと投げ入れたんじゃダメで、一個一個手で並べないとうまくいかないんです。
(手間がかかるけど、一日やってれば十分終わります。)

画像は我が家の工房建築。
割ぐり石を小端立てに並べ、すき間に切り込み砕石を入れました。
(画像左上3分の1が、切り込み砕石を目つぶしに敷いた状態)
さて、締め固めはどうしましょう?
ここまでは人力パワーで根性だしてればいいんですが、これを締め固めるには機械を使ったほうが楽かも・・・
あくまで人力パワーにこだわるなら、
太目の丸太や角材でこんなのをつくって、人力でドスドス突き固める方法もありますが、 例えば腰痛持ちの私には、キツ過ぎて無理・・・
翌日まで待たずに腰が破壊して、寝込んでしまう可能性大 (-_-;)
締め固める力にも限界があるでしょう。

(最近では大きなホームセンターでも、レンタル工具のラインナップに加えているところがあります。)
機械はランマとプレートの2種類あって、レンタル料はどちらも一日借りてたったの1500円程度。
小さめのタイプならハッチバックのクルマの荷台に積み込めるので、機械を借りたら自分で運ぶことができます。
ただし、機械自体の重量があるので、クルマに積み込んだり降ろしたりするときは手伝いを呼んで二人がかりでやったほうが無難。もちろん積み込むときはレンタル会社の人が手伝ってくれます。
(一人でもなんとか出来ますが・・)
ランマってこんなの
割ぐり石の締め固めに使います。
エンジンをかけると本体がピョンピョン跳ねます。自分の足を踏まないように注意!
プレートってこんなの
砂利地業の締め固めに使います。
エンジンをかけると、底のプレートが細かく振動しながら自分で前に進んでいきます。
締め固めた面はすごくきれいになりますよ。
どちらの機械も、エンジンスターターの紐と、チョークレバー、アクセルレバー、スイッチ、燃料コックがついているだけなので操作は簡単です。
借りるときにレンタル会社の人に用途を話して、操作方法をよく聞いておくといいです。

地業工事が終わった状態
(我が家の工房建築)
さて、次は鉄筋を組んだり型枠を作ったりします。コンクリートはその後です。