2×4で小屋の増築

工房に使っていた小屋が手狭になったため、4坪(8畳)ほど増築しました。
これまで、自宅も小屋も在来工法で自作してきましたが、ごく小さな規模であれば2×4工法(ツーバイフォー工法)はメリットが多いと思われたので、今回の増築は、試しに2×4でやってみました。
とはいえ、仕様書に基づく正式な2×4工法ではなく、自己流の「2×4工法もどき」です(^^ゞ
今回の増築は実質4坪とはいえ、既存の小屋の張り出し屋根や柱を一部流用するため、書類上の増築面積は2坪となり、建築確認は不要です。よって、自分で納得出来る範囲で工事は簡略にし、径費節減をしています。
青く見えるのが増築部分。
なにしろ出来るだけお金をかけたくなかったので、外壁材として使ったのは910×1820が1枚550円で買えるサンプライシートに、ペンキを塗ったものです。
(でも外観は気にいってます。)
ほかにも、基礎はウッドデッキを作るときのようなタイプだし、窓や玄関引き戸などの建具もすべて手作り。
大引きなど、材木の一部は解体現場からのもらい物など。
ただし、防寒と防音を期待して、壁にはグラスウール100ミリ断熱材を入れ、内部にもOSB合板を貼っています。床には合板フローリングを張りました。
かかった経費は20万円弱です。
--- 目 次 ---
増築部の地面は傾斜しているので、スコップで平らに均し、バケツとホースで水平を出しながら遣り方を作りました。
既存の小屋側には「水ぬき」を打てないので、適当な木材を水平ラインに打ち付けて、水糸を張るための支えとしました。
独立基礎を置くための穴掘り
建物四隅などは羽子板付き束石を使い、その他は画像のようなピンコロ石を使いました。
ピンコロ石は、市販の束石と比べて価格が半分以下だったので・・・
で、モルタルとくっつきやすくなるよう、あらかじめ水を浸みこませておきます。
以前余った生コンで作っておいたコンクリート平板を敷いた上に、モルタルを挟んで束石やピンコロ石を載せることにしました。
束石だけだと根入れが浅いし地盤への圧力が大きくなりそうなので・・・
水糸の交点から下げ振りを降ろして位置をチェック
約1.2m間隔で、計16個の束石(orピンコロ石)の埋め込み終了。
高さについては床束で最終調整するので、束石の段階での高さ管理は大雑把です。
床束には木の角材を使うので、コンクリート束石との接触面が吸湿しないよう、基礎パッキン(基礎スペーサー)を打ち付け。
これで床束の耐久性が格段にアップするはず。
主屋を作ったときに箱で買った基礎パッキンが6枚余っていたので、ノコで半分にカットして12本の床束に取り付けました。
基礎パッキンの無い残り4本の床束は、比較的水の心配がない中心付近に使います。
こんな風に、基礎パッキンを下にして床束を立てました。
床束の長さは、個々の束石から水糸までの長さを測って求めているので、16本全部まちまち。
防腐剤をたーっぷり塗っておきました。
大引き(土台)の木材は、解体現場からのもらい物なので、太さもまちまち(^^ゞ
床束との固定は大引き側から4箇所斜めビス打ちのみ。まっ、床束は短いから転ぶことはないでしょう。
根太は2×4材の12フィートを使いました。
途中に既存の小屋の独立柱が2本立っているので、その柱に絡ませるように根太を配置したいところ。
最初は2×4材の配置を頭の中だけで考えていたら、ややこしくて挫折しそうになったので、この際、設計図を描いちゃえ! ということで、2×4材の配置図を作りました。

無料作図ソフト「JW-CAD」で描いた根太の配置図です。ピッチ(配置間隔)は303ミリで、外周は2×4材が二重になるようにしました。
12ミリ厚の構造用合板を貼り、約8畳のプラットフォームが出来ました。
壁パネルの製作開始
縦枠の位置を、あらかじめ横枠にマーキング。
縦枠のピッチは455ミリなので、型板を作って定規としました。ピッチの中心にマークするのではなく、2×4材の厚み38ミリ分を分かるようにすると間違えないです。
(材の当たる位置に×印などを記す)
2×4材の特徴=捩れが多い
捩れた材を直角に接合させるため、画像のような冶具を作っておくと便利でした。
テコの原理で簡単に捩れを矯正できます。
本来の2×4工法住宅は接合にCN釘を使いますが、この小屋ではコーススレッドで代用しています。(^^ゞ
一人の作業なので、壁パネルは一人で無理なく起こせるサイズに分割
壁パネルに貼る合板は3×8(サンパチ=910×2430ミリ)なので、そのサイズに合わせて2×4材を組んでいます。
だから既存の小屋の軸組みより20センチほど高さが低いので、その分は別のパネルにしました。
開口部の「まぐさ」は、梁のように荷重がかかるため、2×4材を2枚並列で縦使いにして強度をアップさせました。
ボードがずり落ちないよう、支えの木片を仮固定
壁で取り囲まれました(^^)
でもこの後、連日の雨にたたられて作業中断。 床に溜まった雨水をせっせと排水します。
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次は妻壁の枠組み作り


こんな感じで・・・
タルキを受けるモヤには2×6材を使ってみました。スパン1間、ピッチ半間です。
妻壁2×4材の割り振りは面倒なので、やっぱりCADで設計図を描きました。
CADだと斜めの線でも具体的な寸法が自動的に表示されるので助かりました。
逆に言えば、設計図がないと難しいのでは?

屋根勾配は4寸(10分の4)です。
設計図があると、2×4材からパーツを切り出すときに最長寸法が一目で分かるので、すごーく便利。
JW-CAD万歳 (^^) ←誰でも無料でダウンロードして使える図面作成ソフト。
既存の小屋は在来工法で建てたので、既存小屋のモヤ(=杉3寸5分角材)の側面に、増築部のモヤ(=2×6材)を打ちつけ、さらに、既存の小屋束の側面にも2×4材を抱かせて上からの荷重に備えることにしました。
タルキは2×4材。ピッチ455。半間スパン。
2×6材のモヤの上に振れ止めを配置。
野地合板の貼り始め
鼻隠しからの出と同じ幅の板を仮固定し、野地合板が曲がらないようにしました。
下から順に貼っていき・・・
足元が滑らないよう、野地合板といっしょにルーフィングも同時進行
中から見るとこんな感じ
軒先とケラバに、自作水切りを取り付けました。
※ 参考ページ
屋根材は主屋と同じく、ガルバリウム波板です。
棟部分も、トタン板で役物を自作して取り付けました。
※ 参考ページ
トタンの棟包みの末端は、このように折り曲げてケラバ水切りを包むようにすれば良いかと・・
破風板やモヤの先端も、白いペンキ(アヒヒペンのスーパーコート)で塗装しました。なんだかスッキリ明るい感じになり、我ながら気に入ってるんです(^^)
平屋とはいえ足場は必要。
自宅のサイディングを買ったときについてきたパレットを活用して、こんな足場を作りました。
これは足場自体が躯体とくっついているので、まずは高いところの施工をすべてやってしまい、足場をはずしてから低いところを施工する作戦です。
透湿防水シートを3段貼り、通気胴縁で押さえたところ
上部の三角形は、明かり採りにするため、透明ツインカーボの窓にします。
ツインカーボは押し縁固定とするため、取り外しが簡単。 夏には取り外し、替わりに網戸をはめようと考えています。
外壁材はナント! 仮設や養生に使われるサンプライシート。(別名、プラダン )
これは二重構造のプラスチックシートなんですが、厚さが4ミリ程度しかなく、軽くてペラペラしており、いかにも仮設用って感じ。これを小屋の外壁材として使おうという発想です(^^ゞ
なにしろ安い。サブロク板の価格が550円ですよ。
プラスチックなんで腐らないし、塗装を施せば好きなカラーでデザイン出来る。
ってことで、アサヒペンの水性塗料「スーパーコート」の「オーシャンブルー」のカラーで塗装してみました。
塗る面積が広いのでローラー刷毛を使ってます。1枚があっという間に塗れます。
木材と違い、素材の中に塗料(水分)が浸透しないためか、ペンキの使用量は缶に表示してあったものの約半分で済みました。
塗装後、屋根の下で一晩乾かして・・・
等間隔にビスを打った2×4材を立て、乾燥させるための臨時の台としました。
こんなふうに貼り付けました。
縦横の合わせ目には、同じカラーで塗装した胴縁材をかぶせて固定します。サンプライシートは軽いので、しっかり固定しないと強風で飛ばされそう・・(^_^;
こんな感じで、同じカラーの胴縁材を合わせ目の上から被せます。
ちなみに右に見えるのは換気扇の取り付け穴をあけているところ。
上部三角形との境界付近ははこんなふうになっています。
壁の通気層を上昇してきた空気の出口が必要なので・・・
こんな風に胴縁上部はと外壁上部はすき間をあけ、上昇してきた空気が抜けられるようにしました。
・・・で、こうなった(^^)
主屋と同じように、四隅や窓枠、開口部枠などに白ペンキで塗装した板を張り巡らし、外観が大分出来てきました。
入り口の引き違い戸は自作したんですが、こんな風に可愛く(?)出来ました。(^_^;
※ 参考ページ
増築完成!
かかった費用は約20万円。
床には、安いB級品のフローリングを張りました。
※ 参考ページ
念願の薪ストーブが置けます(^^)
ジャカイモもホイル包み焼き、鶏肉とキノコのホイル包み焼き、シイタケの網焼きなんかも定番ですね~